1. 俺の職業が〈無職〉だった説
遅くなり申し訳ございません。誤字・脱字などありましたら、ご指摘ください。
「こ……ここが……異世界……」
目の前に広がる大自然に少し戸惑う。
ついに念願かなって召喚されたわけだが、いざ召喚されると不安な気持ちがこみあげてくる。いや、うれしいんだ、あんな世界に長居するよりこっちにいるほうが。
でも……う~ん、なんていうか、これが複雑な気持ちってやつなんだろうか。
『お~い……大丈夫ですか~』
……ハッ!?
見るとそこにはさっき襲ってきた幽霊(?)少女がいた。
あいかわらず足元が浮いている。
「……で……出とぁああああああ!!!!頼むから!頼むから命だけはぁぁあああ!!!」
『ち……ちょ、落ち着きなさいよ、さっきはおふざけよ、おふざけ!』
ふぇ?
な~んだ。
おふざけか。
「……がちでビクったんだぞあやまれてめえぇぇぇぇぇええ!!!!」
さっき殺されかけたことと(胴体切断)、圧倒的なホラゲー雰囲気でかなり精神をやられたので、そのことに対しての怒りが爆発する。
『はいはいサーセン(棒)で、なんだけど……』
「誠意が感じられない……」
まだすこしオコな隼人におかまいなく、少女が続ける。
『まずは自己紹介ね。私はアルカナ・ロザリオ。幽霊じゃないわよ。あなた達が言うところの「妖精」
ってかんじね。』
いわれてみれば、背中に羽根らしきものが生えてる。
ならば浮いているのも納得がいく。
『で、次はこの世界について。さっきも言ったとおり、ここは〈マスタリジオン〉。様々なモンスターが存在し、それに対抗するために様々な職業が存在する……まぁ、要はドラ○エだよ。』
なるほど、理解した。
『あ、ドラ○エといえば……はいこれ。』
アルカナが何かを投げる。
危なげにキャッチし、見ると宝石(?)らしきものだった。
『それは魔石〈スカウトラァー〉。それを身に着けている人のパラメーターがわかるってやつ。この世界じゃ大体の人が持ってるやつよ。それをこすってみて。』
スカウトラァーをこする。
すると、ドラ○エのメニュー画面みたいなのが現れた。
「これって……俺のステータス?」
名前の部分にはカタカナで〈ハヤト・チドリ〉と書いてある。
ご丁寧にまぁ。
さーて、俺の職業は〈勇者〉かな?
そう思い、見てみると……
「!?……む……〈無職〉!?」
そう、〈無職〉だったのだ。
「てっきり〈勇者〉だと思ってたのに……俺の期待を幾度も裏切りやがって……」
『大丈夫よ。あなたがココに召喚されたのには、理由があんのよ。』
あぁん?
このくそカス職業の俺様にどんなカス能力があるってんだ?(自虐)
『あんたには、ユニークスキル〈転職〉があるの。』
……お、おう。
あ!な~るへそ。
まぁこの能力なら〈無職〉じゃないと面白みねぇもんな。
納得納得。
『じゃ、あなたを召喚してあげた代わりにしてほしいことがあるの。』
ムムッ!!
「なんや?この最強スキル持ちの俺様にな~にをやってほしいのかな?」
先ほどの絶望感はどこに行ったのか。
自信満々にどや顔を決める。
『……(引いてる)まぁいいや。あなたにはこの世界に潜むごみ組織〈黙示録協会〉をぶっ壊してほしいのよ。』
「〈黙示録協会〉……というと?」
『そのうちわかるわ。じゃ、頼んだわよぉ~』
「え、ちょ……」
アルカナが光をまとい、消えた。
「……え?放置プレイ?」
読んでくださり、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。