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腹減った

作者: セルロイド

 非常に腹が減っている。当然だ。今朝から何も食っていないのだ。

 冷蔵庫には消費期限が切れた卵が一つきり。数日程度切れているならまだ考えるが、こいつは二ヵ月前から棚の上に転がっている。食べるどころかもはや触れることさえためらわれる。

 冷凍庫には冷凍食品の空き袋が大量に詰まっている。ピザ、春雨、ピラフ、パスタ。どこまで掘っても空き袋。底のほうで見つけた人参とナスはミイラのごとく干からびている。食えたもんじゃない。

 ごはんはない。パンもない。ただ海苔がある。

 八枚切れが1パックになっているやつだ。壁と冷蔵庫の隙間に挟まっていた。パックはまだ空いていない。賞味期限も切れていない。完璧だ。

 ごはんがあったら海苔を乗せて食えただろう。しかし今はただ海苔に醤油を漬けて飢えをしのぐ他ない。

 少し食べたら気力が沸いた。今なら起きれる。外に出れる。

 襟が伸びきったシャツをひっつかんで着る。ズタボロのジーンズを穿く。踵の潰れたスニーカーを穿く。

 というわけでこれから夕食を摂りに行く次第。それではさようなら。

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