1/1
第零話 胎動
取りあえず書いてみました。
ノルウェー海海上。天候は晴れ。南西の風、12.5m/s。波、高し。
旗艦である戦艦「長門」からの通達。「敵艦隊、視認。勢力、航空母艦5。戦艦5。巡洋艦13。駆逐艦、補給艦多数。座標送る。」
「腕が鳴るね、艦長。」
「ああ、でも侮るなよ。火力では勝っているとはいえ、敵は大艦隊だ。油断したらだめだぞ。」
「ん、わかってるよぉ。」
砲術科員が報告する。
「有効射程まで、あと20km!」
「旗艦より通達!全艦、増速23ノット!」
「よし、機関室!23ノットまで増速!」
「四速前進よーそろー!」
機関科員の報告。
艦全体がゆったりと増速する。それに呼応するかのように、窓ガラス越しに見える他の艦も、艦首波が高くなる。各艦が主砲の砲身を上下させて、最終調整をしている。本来はしなくてもいい作業だが、それだけ皆興奮しているのだろう。
世紀の決戦が、いま始まる。