チートによるチートが(以下略)
「んなわけで俺はチートの神様だ。昔っからポケモンだって改造コード入れまくってふしぎなあめでレベル上げまくって自慢しまくった奴が俺だ」
「……チート」
「んで今ここはゲームの世界で俺は100レベだ。んでお前は1レベ。…一緒についていくのが道理じゃないのか?」
「…チートマン、そんなの楽しいの」
「楽しいさ。だってみんな尊敬の目で見てくれる」
「バカみたい。…だってせっかく冒険が始まったのに、いきなり100とかゲーム制作した奴も拍子抜けだよ。ドラクエだってメガテンだってFFもコツコツレベルを上げたからこそそれ相応の楽しみがあるんじゃないの」
「あるわけがない。所詮それはゲームの中だ。これは現実!」
「現実でも楽しみたいじゃん。だからチート! さっさとその伝説の勇者が着そうな装備を脱ごうよ!」
「――――バカ言うなっ!! 俺だって…!!」
眼前が暗転する。
1レベのアイツは1レベの低俗モンスターに食べられる。
むしゃむしゃと気持ち悪い音を鳴らしながらモンスターは綻ぶ。
「…だ、だ、だ、あ、あ、あああ、ああ、あ、ああ、あ、あ、、あ、あ、あ、あ、あああああああああああああああああああああああ、あ、あ、あああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
足は動かない。モンスターは涎を垂らしながら近付く。足は動かない。剣が歪む。そうか、これはプラスチックの玩具だったのか。玩具。そうか。これは、駄目だ。100何て言う数値はまさかゲームの主催者のバグ。あ、なんで、いやだ。足は動かない。ゲームの世界が歪む。
「……」
ゲームの世界は歪む。
足から世界は崩れていく。
「おかしい、よ」と言って、垂れた。