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冴えない私

「ああ、寒い…。」


気温は8度くらいで上着を着ないと風邪をひきそうである。空気はひやっとし、息を吐くと白くなるほどだ。

こんな日は家で風呂につかるか、こたつで寝ていたい。

小腹が空いたのでコンビニでジュースとほっかほかのおでんを買ってきた。


「美緒何しに行ってたの? 」

私の母が台所で料理をつくりながらこっちを向いて不思議そうに言う。


「ちょっとおでんを買いにコンビニまで。晩御飯まだできないでしょ? 」


「そうだけど、あんたって子はちょっとも待てないの。もうっ。」

呆れた感じを存分に出しつつ母は料理の続きに取り掛かる。

私も宿題に取り掛かる。明日は休日も終わる。


晩御飯は鯖の味噌煮だった。味噌の味も良いし少し入っている清酒の味も良い。身を食べ終わり、残った汁を口にかき流す。

よし、明日は学校だ早く寝よう。


放課後の文学部は図書室で活動する。

鉛筆を動かしているカリッカリッという音が静かな空間を装飾しているようである。

今詩を考えている最中だが、アイデアがすぐ浮かぶこともあれば、すごく悩んだ末絞り出すの2種類に分かれる。パッと思いついたものが受賞することは多い。だが安易すぎるものはダメだ。


私がこの部活の見学に来た時の印象はうわあ地味だなという感じだった。

いわゆるクラスの二軍、三軍の集まりである。


「あー思いつかねー。」

地味男がそう言い放ち、頭を掻き乱した。

「詩のテーマが”あなたの譲れないもの”って色々解釈があるし、難しいのよね。」

地味子が文学少女の凛とした風に言った。。

「まあそこは自分の好きなものとか打ち込んでいることを詩にすればいいんじゃない?」

私は知ったかの如く言った。

周りはなるほどという雰囲気になり、またカリッカリッという鉛筆の動かす音が鳴り始める。

そう言った私自身、何を書くか悩んでいる。今日はとことん悩む日だろう。


皆が書き終わり。顧問の掛け声で今日の活動は終了した。今は秋で日が落ちるのも早くなり、外は青紫がかってもうすぐブラックに包まれるところだ。


私は駅まで徒歩で通っている。朝は赤、黄色のコンビネーションで紅葉がとても鮮やかな光景になる。だが落ち葉がすごいことになっている。だけどこれによって落ち葉を拾う雇用が生まれるのだから全てが悪ではないのではないだろうか。


私は部活が終わり駅に付き、定期を改札機に入れてホームに向かった。

キーッというブレーキの音でホームに電車が到着する。

電車に乗り込んだ。私はポケットからウォークマンを取り出し曲を探した。適当にかけて、周りを見渡した瞬間。


びっびびびっと感じた。


頭をセットし、無機質な表情。いわゆる美男子がそこにいた。

私と同じ方面だ。ラッキーである。


学ラン姿で襟には地元の進学校のバッジがある。おそらく前の前の駅から来たのだろう。

本当に綺麗な顔立ちだ、ずっと見ていても飽きない。その人は教科書読んでいる。数学Bの教科書か。

教科からして受験生か、高2だろう。

そう推測している間に彼は駅を降りた。


もっと見ていたかったが残念である。


家に着いて今日見たあの美男子を思い出す。名前は何ていうんだろうか。話しかけれたら良いんだけどな。私の性格では無理なんだよな。毎回片思いで終わる。中学校でも好きな人は居たけど一回も話せないまま卒業してしまった。あの人はとても笑顔でかっこいい人だった。友達も沢山いたななどと思い、昔の記憶が蘇ってきた。

うわっ最悪だ、なんであのころを思い出したんだ馬鹿。


そして今日は寝ることにした。


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