表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の隣の悪魔  作者: ハル
4/4

文芸部

 西村先生に渡しに行った後、文芸部の部室に行った。文芸部の部室は、南館の隅の方にある。

 扉をノックして返事を待つ。すると、

「はぁーい、どうぞお入りくださーい」

 と声がした。

 ・・・・・・なんかいやな予感がするんだけど、気のせいかな?

 中に入ると、古い本の匂いがした。木の机の前に置いてあるパイプ椅子に座っているのは、髪の長い人だった。

「いらっしゃい。入部希望者よね?話は聞いているわよ」

 その人は、まるで前から知っていたかのように言った。

「はい。高2の中野翔太です」

「翔太君ね。はいはーい」

 その人は、ノートに何か書き込んでいる。多分、部員のことが書いてあるノートだと思う。

「私は、高校三年生の松浦麗華よ。麗華先輩と呼んでいいわよ。文芸部の部長です!!」

 麗華先輩は長い髪を揺らして言った。

「はぁ・・・・・・宜しくお願いします」

「本当はもう一人、部員がいるのだけど。今は図書室に行ってるわ」

 多分、いや絶対琴音の事だろう。

 麗華先輩は僕の後ろを見て、言った。

「あら・・・・・・その子は」

「悪魔の色葉だ」

「色葉ちゃん。宜しくね」

僕が応える前に簡単に自己紹介をした色葉に、麗華先輩は優しく微笑んだ。



 それからしばらくの間、本の話をした。普段はどんな本を読むのとか、私は「ダフニスとクロエー」が好きなのよといった話。

 そうして話していたら、部室の扉が開いた。

「・・・・・・翔太君」

 琴音だった。


 琴音は驚いたような顔をしたが、文芸部に入部したことを話すと、嬉しそうに笑った。部員が少なくて困っていたらしい。

 それから皆で帰った。下校時刻が迫ってたから。

 帰る前に、麗華先輩イチオシの本を借りた。題名は「友情」、作者は武者小路実篤。「友情」は家に帰って、宿題が終わってから読もうかな。



 家に帰って、数学の問題集を二ページやってから、麗華先輩に借りた「友情」を読む。

 話は、野島という20代の人が、友人の早川の妹の杉子に恋をする話だ。野島には大宮という親友がいて、杉子は彼を好きになるのだ。

 表現が少し難しいけど、結構面白い。前の部活でも本を読んでいたけれど、「友情」は読んでいなかった。野島が杉子の家でピンポンをする場面を読んだ所で眠くなったので、そのページに花の模様の栞を挟んで本を置いた。

 それから、ベットに入って眠った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ