表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の隣の悪魔  作者: ハル
3/4

学校

 超常学園に通い初めてからもう1週間になる。いつもの道を歩いていると、和樹が来た。

「おっはよー翔太と色葉ちゃんっ」

「ああ、おはよう和樹。今日も元気だな」

「おはよう小野」

 和樹とは家が近いので、待ち合わせて一緒に行っている。これは、いつもの事。今日も和樹は朝からテンションが高い。これも、いつもの事。

「でさぁ、色葉ちゃん。今度遊びに行かない?」

「断る」

 色葉を遊びに誘おうとして断られるのも、いつもの事。

 学校へと続く長い長い坂の前の道から、泉が来た。

「・・・・・・あら、奇遇ね。おはよう」

 泉は、嬉しそうな顔をしている。

「おはよう、泉」

「おはよう原」

「おっはよー泉♪」

 なぜか和樹は、泉のことはちゃん付けしない。

「和樹君、今日は菜穂ちゃんいないの?」

「あの子は神出鬼没だからねぇ~。今はどっか行っちゃった」

「へぇ・・・・・・」

 なんだか泉、少し嬉しそう。もしかして・・・・・・?

「泉、ちょっといいかな」「いいわよ」

 泉だけを呼んで聞いてみる。

「泉って、和樹の事、好き?」

「ふぇっ!?」

 泉の顔がどんどん赤くなってゆく。これって当たり?

「ちちち違うわよっ!!私が和樹君の事、好きな訳ないわよっ」

 これは当たりだ。

「ふぅーん?好きなんだ」

「だ、だからっ、違うわよ!!」

 うろたえる泉。そうそう、和樹は外見は良い方だ。性格も悪くはない・・・・・・と思う。泉が好きになるのも仕方がないのかもしれない。

「なになに、なんの話ー?」

 近づいてきた和樹。

「な、なんでもないよ!行こっ」

 会話を断ち切り、また歩きだす。二人もついてきた。


「おっ、はろはろー」

 歩いていると、七穂に会った。

「おはよう七穂」

「はろはろーっ(笑)」

「あ、おはよう」

「おはよう神崎」

 皆で挨拶をする。すると、

「委員長じゃん!顔赤いよー?どしたのぉ」

「な、なんでもないわよっ、行きましょう遅刻するわよ!」

 泉は話をそらした。また歩きだす。今度は七穂も一緒に。



 学校に着いた。靴を履き替え、教室へ向かう。

「んぉ、奈央先生」

「ホントだ」

 廊下に奈央先生がいた。こっちに気付いた様子はない。和樹が近づく。

「奈央先生、おはようございます!って・・・・・・」

 奈央先生は、窓を閉めようとしていた。奈央先生は小柄なので、高い窓には届かなかったのだろう。

「んしょ、んしょっ!」

 いくら背伸びしても届かない。

「奈央先生・・・・・・俺やりますよ?」

「ん?って、和樹君?おはよう。窓に届かないのよ・・・・・・やってくれるの

?」

 可愛く首を傾げる奈央先生。表情は、なんだか悲しそう。

「大丈夫ですよ」

 和樹は、背伸びもしないで窓を閉め、ついでに鍵も閉める。和樹の身長は170cmはあるだろう。

 そんな和樹を泉が赤い顔で見ていた。

「ありがとう、和樹君」

「や、別にいいですよ」

 和樹がこっちに戻ってくる。

「さ、行こ行こ」

 歩きだし、渡り廊下を渡って階段を上って教室に入った。



 一時間目の後の休み時間に、和樹に話し掛けられた。

「なぁ、翔太は部活何やるのか決まった?」

 話題は部活の話のようだ。

「いや、何も決めてないけど。和樹は何部?」

「俺はサッカー部。ポジションはMF」

「へぇ。他の人達は?」

 気になったので聞いてみる。

「泉が吹奏楽部。パートはクラリネット。ピッタリな気がする(笑)。慶介は野球部。確か、ピッチャーだった気がする・・・・・・。雅は俺と同じサッカー部。ポジションはFW。七穂はテニス部で、琴音は文芸部。アルは入ってないみたいだ」

「ふぅーん・・・・・・。入っても入らなくてもいいの?」

 できるだけ部活はやりたくなかったので聞いてみた。和樹は、

「や、違う。アルだけだ」「え?」

 意味のわからない事を言った。

「どういうこと?」

「アルって宇宙人だろ?だから色々あるんじゃないのか」

「へぇ・・・・・・」

 納得。

 前の学校で文芸部らしきものに入っていたので、それにしようかと思い考えていると、

「翔太、今文芸部に入ろうと思っただろ」

「うぇっ!?」

 しまった、変な声がぁ!

「図星かぁ~。だよな、お前琴音ちゃんに一目惚れだもんな~」

「だからそれは誤解だって!ただ、単純に前の学校で文芸部(?)に入ってたから!」

「ふぅーん。あぁ、相談部」

「そう、相談部」

 和樹が前の部活動の名前を言う。

 相談部は、悩み事などを相談する部だ。相談が無いときは、部室にあった本をよんでいた。昔は文芸部だったらしい。おかげで、本が好きになった。

「相談部の部長さん、美人だよな~。まだ連絡とりあってんの?」

「いや。先輩、携帯もってないから」

「機械音痴なの?」

「らしいよ」

 先輩は機械音痴だ。パソコンも使えないらしい。

「んで?どうすんの、部活」

 和樹が急に話を戻す。いけない、忘れるところだった。

「僕は文芸部に入るよ。本当に、琴音は関係ないからねっ」

 一応釘をさしておく。

「そっかそっか。翔太も素直じゃないなぁ」

 聞こえない聞こえない。無視。


 キーンコーン・・・・・・、休み時間終了の鐘が鳴った。皆急いで席につく。すぐにガラガラ、と音をたてて扉が開いた。先生が入ってくる。

「皆、教科書は出ているかしら?次は世界史よ」

世界史は、僕の国語の次に得意な教科だ。どうやら僕は文系らしい。

「先生ー、教科書忘れましたー・・・・・・」

「マイナス10、と・・・・・・」

 和樹が教科書を忘れたらしい。先生がノートに何か書き込んでいた。

「翔太ー、教科書見せてくれー」

 和樹とは席が隣なので、仕方がないので見せるとする。

「今日は37ページ・・・・・・」

 授業が始まった。



 全ての授業が終わり、放課後になった。

 入部届けを出しに職員室へ向かう。途中で、今日日直だった慶介とあったので、一緒に行く。

「翔太はさ」

「うん」

 話し掛けてきたので返す。何の話かな・・・・・・。

「好きな奴いんの?」

「へっ?」

 あ・・・・・・、変な声が・・・・・・。

「あ、いるんだ」

「いないよ・・・・・・」

「嘘」

「本当だよ」

「だって琴音のことよく見てるじゃねーか」

 あれ?見てましたたっけ?

「それは誤解です!」

「つまんねーの」

 ・・・・・・。

「あ、慶介は好きな人いるの?」

「俺は七穂一筋だもーん」

「へぇ・・・・・・」

 七穂か。僕の七穂の第一印象、“元気”“活発”なんだけど。慶介は元気な子が好みなのかな?

「ん、着いたぞー」

 その時、職員室に着いた。

「どうぞ、先生」

「あら、ありがとう、お疲れ様」

「はーい、さよーならー」

 慶介が山中先生に日誌を渡し、先生がそれを受け取る。

 慶介が職員室から出ていった。

「それで、中野君は?部活、決まったのかしら」

「はい。文芸部に入部します。入部届をいただきに来ました」

 そう言うと、先生は机の引き出しから入部届を出して渡してくれた。

「じゃあ、書いたら西村先生に渡してね。今中学3年生の先生だから」

「分かりました。えっと、そこの机使っていいですか?」

 近くにあった机を指差す。

「いいわよ。それじゃあ、私はこれで」

「はい、ありがとうございます、さようなら」

 先生が、職員室から出ていった。

 入部届を書いて、西村先生に渡しに行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ