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魔法の本を手にしたら  作者: ふりまじん


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コンテンツ


やれやれ、ここでやって表紙とさよならです。

次に出てきたのは、黒字のコンテンツの英字表記と青字の題名。

「へー。目次ってコンテンツって言うんだ。」

作者はそうぼやいてイソイソと何やらメモを書きます。


コンテンツ=目次だと思うけど、内容って出てくる。日本だと大概、ゲームやスマホのアプリとかだと思わ れて言葉が通じない事もあると思う。


「目次はコンテンツではありませんよ。」

「え?」

「目次はテーブル・オブ・コンテンツになります。」

私の言葉に作者は渋い顔になる。

「面倒くさいね。寿限無みたいだよね、英語って、いちいち、目次をこんな長い言い方するのか。テブコンとか省略できないのかな?」

作者は面倒くさそうに言う。

「さあ、ダメなんじゃないですか?それに、このページは電子書籍特有のものらしいですよ。こうして、青い文字をクリックすれば、しおりのようにその章に飛べますから。

まあ、ともかく、早く次に行きましょう。」

私はせかした。こんな調子で1年でなんとか完読できるのでしょうか?

「まあ、そう言わないで。そんなに急ぐと、軍資金が貯まってないと情けないし、それに、この先のテンプレを決めるんだから慎重に行かないと。」

作者は慌てながら言った。

「それにしても、遅いですよ。まだ、目次にもたどり着いてないのですから。それに、軍資金が貯まってなくても、未完はたくさんありますから、完結さえすれば充電期間とか言っておけば格好が着きます。」

ああ、なんだか未完の予感が心に湧きます。

「そう言わないでよ。私も、こうして書くまではただ、日本訳して感想を書いてゆけばいいと思っていたのよ。でも、私、ホラーで投稿しちゃったし、今年はホラーの注目が高いみたいだから、なんとか、それっぽくやりたいのよ。」

作者は焦りながら私を見る。

「大丈夫ですよ。何しろ、あの『アブラメリンの書』をテーマにするのですから、どこから見てもホラーですよ。」

私は圧した。が作者は渋い顔で遠目に私を見る。

「そう?このノリだと、私の恥ずかしい学生時代の英語生活を披露で終わりそうじゃない。いやよ。それでジャンル詐欺とか通謀されるの。ま、ちょっとは面白そうとか思ったりもするんだけれど、でも、この内容で通報は嫌。もう少し、頑張った感は出さないと。」

「頑張った感って。」

「オカルトっぽく、内容重視でやるのよ。大体、この本の内容に興味を持ってもらいたいし、興味をもたれて、他の人が同じような事をやったとしても、私を選びたくなる何かを入れないと、パスティシュ作品は辛いわよ。」

作者はため息をつく。

「確かに、『アブラメリンの書』は誰でも購入できますから、英語が堪能な方に同じ事をされたら、閲覧がさがりそうですよね?」

「でしょ?でも、英語の堪能な人は、英語ができない人間の文章は書けないのよ。コンテンツという言葉を聞いてゲームとか思わないんだろうし、テーブル・オブ・コンテンツなんて長い言い回しもペラペラペーラって、話しちゃうんだろうから。違和感はないと思うし、私の文章をパクったら、本当はバカだって思われるもん。」

作者は自慢げだった。でも、それを自慢はして欲しくはなかった。

「確かにそうですが、そんな内容では…」

「当たり前でしょ?英語じゃダメなの、ホラーなんだから、オカルト風味がしないと。で、ここで気がついたの。」

作者のドヤ顔が恐ろしい。

「何を、ですか?」

「この本の著者はアブラメリン・フォン・ボルムスって人だってことよ。」

「そうですね。確かに、これは推定14世紀に書かれたアブラメリンという人の著書をメイザースが英文に書き直して発表した物です。」

私の言葉に作者は右の人差し指を立ち上げて自慢げに「ピンポーン」と言った。

「そうよ。私も外国の謎の魔術の本を読むために七転八倒してるけれど、120年前の世界でメイザースだってフランス語のこの書籍に七転八倒してたと思うのよ。」

「はぁ。」

「何よ、その気の抜けた返事。これって、凄いと思うのよ。多分、アブラメリンの本を翻訳した人とか著書っていっぱいあると思うけれど、翻訳に苦労するメイザースの話は私が初めてだと思うもん。

きっと、私の経験が、この作品に活かせると思う。」

作者は目を輝かせてこう続けた。

「私、金鉱を掘り当てたかもしれないわ。」


ああ、金鉱。試掘ばかりで破産しそうで恐ろしいですが。確かにメイザーズの話を絡めて見るのは面白いかもしれません。

少し、調べてみましょうか。

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