ヴォルムス
ヴォルムスは、アブラハムのフルネームとして記されていた。が、苗字(一族)と言うよりは、『レオナルド・ダヴィンチ』のように生まれた土地を表しているようでした。
そこでヴォルムスを検索すると、現在のドイツ地図にその場所が記されます。
「やはり、本場の人は設定から違うよね。私にはヴォルムスなんて考えもしなかったよ。でも、ここって、なんか、カール大帝の好きな場所で、すごい寺院とかもあるんだって。ライン川の川沿いにある土地なんだ。ニーベルンゲンの伝説とかとも関係あるんだ。
そして、ユダヤ人の居住区シナゴークが昔からあったところなんだって。
やっぱり、地元の人には敵わないわよね。ヴォルムスなんて田舎の日本人じゃ、思いつかないもん。」
作者はそう言いながら、ライン川とワインについて懐かしそうに話した。
初めの頃、連載で混乱した時にノストラダムスの行動範囲をワインと川で調べた事がありました。そこからあの話は進みませんが懐かしい思い出なのです。
「そうですね。この土地はさまざまな点でヨーロッパの重要な拠点です。ユダヤ人のノストラダムを追いかけるにはいい参考になるかもしれませんね。」
私は嬉しくなった。ああ、また、作者と楽しい物語を紡げる予感がします。
「うん。ヴォルムスなら、我々のノストラダムスの親戚とかが作れると思うわ。そして、情報網を作り上げられるわ。すごいわね。」
作者は笑う。私も楽しい気持ちになりましたが、そんなことばかりもしてられません。
「はい。でも、今は『アブラハムの大冒険〜これからエジプトに行ってチートマジシャンとしてスローライフを楽しみたい』をなんとかしませんと。」
私のセリフに作者は驚いて、あれ、まだ覚えてました?といった顔をする。
「あ、ああ。そうだね。ふふ。」
と、笑って誤魔化しながら作者は思案するようにコーヒーを飲んだ。
「そうですよ。さ、話を始めましょう。」
私は少し意地悪にタブレットを開いた。作者は方をすくめてからノートを開いた。




