マグレガー
令和のゲーム配信者は、19世紀のメイザースと分ける意味でマクレガーと呼ばれる事になった。
そして、レギュラー化してきた彼は古いパソコンを自分用にカスタマイズし始める。
データーを自分のモバイル端末に移植、そこから現代のパソコンで使えるように取り込んでゆく。
パソコンが登場し始めるのは1970年代である。1958年の話は電子データーでは残されてはいない。
しかも、難しい日本語での記録となると、それは随分と後の事である。
嘘くさくもあるが、それであってもマグレガーには興味深い内容だった。
あの、有名なグリモアール『アブラメリンの書』をモデルに作られた50年代のゲームのシナリオなのだ。
日本というエキゾチックな雰囲気の中で、80年代のレトロゲームの怪しげな世界が、廃工場の一室でつまびらかれる。陰鬱で、エロティックで、神秘的な世界。
配信すれば、PVがもらえるスチュである。
「なかなか面白い話に膨らんできたわね。」
作者は困ったように笑う。
「そうですね。困りましたね。」
私も苦笑した。これではいつ、本文に辿り着けるのか、わからなくなりました。でも、小説でお金を稼ぐのは大変なので、これぐらいのスピードのほうが精神的には楽かもしれません。
「うん。でも、すごいね。コンピューターの話にしたら、なんだかいろんな事が見えてきたわよ。
言語にしても、コンピューターは同じように見えて変わっているんだね。」
作者は感慨深くスマホを見つめた。コードで繋ぐタイプから、赤外線通信。そして、Bluetooth。時代によって機械変わってゆきました。と、同時に、昔のデーターとの互換性は悪くなってゆくのです。
「そうですね。言語の歴史だけでは、使う人間の心理までは考えませんから。記される言語が変われば、廃止された言葉を使える人間も減ってしまいます。情報を使える状態で保存をするには、新しい言語で書き記す必要が生まれるのです。」
「そうね。そこまで考えなかったわ。古い本が読めなくなる前に、自分の使っている言語で書き直すのは、あり得る話だし、そんなことは、落ち着いた時代に行われるから、一概にインチキってわけでもないかもしれないわね。」
作者ま面倒くさそうに口元を歪める。
「そうですね。まあ、先を読んでみましょう。」
私たちは電子書籍を開いて読み始めました。そこで、シモンがアブラハムの父親であることを知った。




