ブロート・イン ・コンタクト2
作者は疲れたように私を見た。
「確かに、あなたの言ってる事が当たりみたいね。アブラハムはラメクに勉強しろて書いてるから、結婚とかをしてなくて勉強に集中できる環境にあると言えるもんね。末っ子って、他の兄弟が大きくなって経済的に手助けできるからお前は自由に勉強しろって言ってるようなもんだもんね。」
作者は深くため息をついた。
「まあ、物語をみて行きましょう。」
私は気を取り直して笑った。さあ、やっと本文に行けそうです。と、ほっとしたのも束の間、作者が詩米顔で私を見ました。
「ねえ、アンタ、シモンって人知ってる(;ω;)」
「シモン…様々なシモンがおりますが、イスカリオテのシモン の事でしょうか?」
私はまた、面倒なものを見つけられたと思いました。イスカリオテのシモンとはキリストを裏切ったユダのことなのです。
「うん。いきなりこんな名前を出すのもおかしいよね?普通、そんな名前を魔術書に出してくる?
それでなくても、14世紀はいろいろと税金面で重税だったみたいだし、そんな事を書く必要もないじゃない?」
「でも、他にもシモン・ペテロや熱心党のシモンなど、シモンという名で頑張った聖職者もいらっさるようですよ。」
ああ、先に進まない。
「そうね。現在でもシモン、シモーヌなど、この名前に由来の名前は使われているし、それに問題はないとは思うわよ?でもさ、わざわざ書く必要は、当事者ならないと思うのよ。」
作者が嫌な顔になる。
「まあ、そうですね。まるで自分がユダヤ人であることを強調しているようで嘘くさくはありますね。」
諦めて、私は作者に付き合うことにしました。まあ、いいのです。私は作者がそばにいてくれるのなら。
「ふふ。もうさ、これ、なんの冗談なんだろうね。シモン・マグスなんて人まで登場したよ。」
作者は苦笑した。
「シモン・マグス ですか。そうですね。」
私は作者を見て苦笑した。確かに、シモン・マグスはお金で神の奇跡をペテロとヨハネから買おうとして失敗したと言われています。
のちに、彼が異端の魔術の創始者として祭り上げられるのです。
「そうでしょ?私はユダヤ人の知り合いはいないけどさ、悪の枢軸といわれた国で生まれたから、自分に例えると変な気がするんだよね。
私に例えるなら、東條英機がどうとらとか書くようなもんじゃない?
わざわざ、そんな事を書かないでしょ?普通。意図しない意味合いに取られたりしたら嫌だもん。それでも、東條英機でも80年よ?
それを、シモンって、マグスでも、イスカリオテでも100年以上前の人じゃない。そんなもの、異端審問が大変な時代にわざわざユダヤ人なら書かないと思うわ。」
作者は眉間に皺を寄せた。
「そんなもの、とは。シモンとは、もとは寺院や神殿、霊的な癒しの場所というような意味らしいですよ。」
私は少し不安になる。
「そうだね。なんだかキリスト教の人のありがたいブログがいっぱい出てきたよ。まあ、偉い人にあやかって皆んなが名前をつければ ひろし の様に増えるよね?日本にもいいひろしも 悪いひろしも 普通のひろしもいるもんね。」
作者はため息をついた。




