1458 2
「全く、面倒臭いことになったわよ。確かに、なんか、意味があるとは思ったわ。私、この書物はただ書いているとは思わなかったから、年号にも、何か、権威づけをしているとは思ってけれど、もう。」
作者はそう言いながら説明を始めた。
1458年。この年をベースに、作者はまず、死者を探した。誕生日は余程の大物でない限り意味をなさないと思ったからだ。
で、ここで、法王の帰天に気がついた。
まあ、ファティマの話を書いているのだから1番に目がゆくのでしょう。
この年に亡くなったのはカリストゥス3世。そして、この年はいろんなことが起こっていた。
「なんだか、この年はすごく色々あって頭が爆発しそうだわ。ねえ、メイザースはそれに気がついたと思う?」
作者は頭を抱えて私に聞いた。私はアイスティーを渡しながら考えた。
「どうでしょうか?文字については考えていたようですけれど。」
「まあ、高卒っても、私にはネット、メイザースにはインテリの団員がサポートしてるのだから、全く何も考えないとは思えないのよね。
でも、彼が気になったのは、書いた人や歴史ではなく、魔術、2巻の内容と使えるか、と言うところっぽいからな。
アブラメリンの魔術なんで嘘っぱちだったとしても、現在のゲーム世界では相当凄いことができるみたいだもん。
この世界、言ったもん勝ちって所があるもんね。そう言う意味では、メイザースに何かして欲しいと考える人物は沢山いたでしょうね。」
作者は渋い顔をする。
「一体、何を見つけたのですか?」
私はため息をつく。
「うーんと、色々よ。今、頭が沸いていて、少し、知恵熱、出そうになってる。だから、うまく言えないけれど、この年には、法王の他にも亡くなった人がいるの。
アラゴン国王のアルフォンソ5世。この人と法王は近しい関係で、国王が亡くなってから、暴動がローマで起こって、逃亡先で急死したらしから、全くの関係はないと思うわ。
そして、ドイツ、ええと、北欧はフス戦争って宗教戦争が勃発していて、この年、ハンガリーの国王のラースロー5世が亡くなったのよね。
なんだか、フランス国王との縁談を前にね。
まあ、そんな面倒な時代に、なんで、アブラハムなんてベタな名前の人間が書いた怪しい魔術書なんて写本するの?おかしいでしょ?」
作者は愚痴るように言った。
「アブラハム、おかしいですか?」
「うん、まあ、あんまり聞かない名前でしょ?」
作者は頬を膨らます。
「奴隷解放宣言をした第十六代大統領は?」
「アブラハム・リンカーン。あっ。」
作者はそこで絶句した。




