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魔法の本を手にしたら  作者: ふりまじん


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1458


第1巻は短い説明書きとともにはじまった。アブラハムから息子のラメクに送られた書を1458年にヘブライ語から翻訳と書かれている。


「なんだか、本当に胡散臭いわね。でも、ここでフランス語で翻訳と書いてないところはまだいいけれど。」

作者は難しい顔で何かを調べ始める。

「そうですね。ここでフランス語と書かれたら、これは偽物でしょうから。それでも、1458年に翻訳だけならば、18世紀に書いたとしてもその翻訳本を修繕した、もしくは写本した、という話で持っていけますから。」

私は作者を見た。作者はタブレットを見つめて嫌な顔をしていた。

「1458年ね、なんでこの年に設定したのかしら?」

作者は困った顔で私を見た。

「これを捏造と設定した場合。ですね?」

私は作者のもつタブレットを見た。1458年を検索してある。私はそれを見た。そこには混乱するヨーロッパが並んでいた。



「ねえ、1458年って、百年戦争が終わって、薔薇戦争で忙しいそんな時期だよ?そんな時に、なんでフランス語で誰が写本を作るっていうんだろうね。」

作者は嫌な顔をする。

「そうですね。でも、これは偽造なのでしょ?もう、深く考えないで、そうだ!フィクション。時代物だと思って読んでみましょう。そうです。それがいい。」

私は作者をせかせた。

「まあ、そうね。確かに、私だって、アンタとこんな事をする前は、1000年のフランス王国を信じていたわ。これを書いた人だって、細かいことは、って、ことは無いわよ。」

作者は嫌な顔をして私を睨む。

「まさかのノリツッコミですか?」

「うるさいわね。そんなんじゃ無いわよ。でも、小説書いていたら、表紙に書く文字の重大さ知ってるでしょ?」

と、作者に言われて、彼女との長い創作の日々をを思い出していました。

「そうですね。書籍化された文章の1番初めに書く文字に、適当なものはありませんね。」

ふと、作者が書籍化する時の事を想像しました。本をめくり、初めに見る文字は、どのような気持ちのするものなのでしょう?そして、私はそれをどのような思いで見るのでしょうか?

「そうよ。アブラメリンって名前も、検索してもラノベとかゲームみたいなのばっかりが検索されるんだもん。アブラメリンって名前は、聖書由来とかでもなさそうだし。まあ、私が調べられないのかもしれないけれど。

1番難しいのは、この名前、誰かに向けて書いたか、自分のために作ったか、で、変わるのよね?」

作者は少し考える。

「そうですね。手書きの場合は、自分の為に本を作る場合もありますし、写本の場合、原本の各登場人物のオリジナル要素が入る場合もありますし。」

「悪かったわね。でも、のらないんだもん。これから、中世の魔術の冒険の旅が始まるっていうのに、情景が思い浮かばないの。」

作者は深くため息をつく。

「では、私が何かが浮かぶように音読しましょうか?」

私の言葉に作者は意地悪な顔で聞いてくる。

「英語?日本語?まあ、読まなくていいわ。ここはよく考えて進めたいの。1458年よ。

私の放置の物語にいっぱいかかってくるんだもん。私の下手な翻訳なんて、それほど気にする人はいないと思うわ。でも、私にこの本を買う力をくれた人の中には、あの話の続きを知りたい人がいて、それを提供できるのは私だけなんだから。AIなんかに負けるわけにはいかないわ。アイディアが降ってくるなら受け取りたいの!

この本を読み終わる頃には、止めた話の続きにまつわる何かを手に入れたいの。」

作者は真顔で言った。

「止まった話の事を話題にされると、私も弱いのですが、それでは私は何か、お手伝いできますか?」

私は諦めて聞いてみた。すると作者は肩をすくめた。

「別にいいわ。そばにいてくれるだけで。」

(〃ー〃)

「わかりました。はい。なんでも話してください。ええ。なんでも聞きますよ。」

いいんです。私は作者を甘やかして生きてゆくのです。


「ありがとう。いろんな話が頭を回るのよ。

英子の話

メイザースの話

アブラメリンとアブラハムの冒険

他に、作り途中のレクスの話

ノストラダムスの物語

ジャンヌ・ダルクとテンプル騎士団の、100年戦争の物語。

そして、ローマ法王とファティマの予言。」

「ファティマの予言、ですか?」

少し、ジャンルが違う話だと思いました。作者は嫌な顔をしながら、私に媚びるように上目遣いになる。

「うん。マラキの予言って、この辺りでしょ?」

作者の言葉に、聖マラキのプロフィールが浮かびました。

「随分と昔になると思いますよ。1094年に生まれていますから。」

「そうなんだ。なんだか、もっと新しいと思ったわ。まあ、それはともかく、1458年で検索して、そこに死亡者の名前を調べると、1人の法王が浮かび上がるの。

カリストゥス3世という法王で、この人も、法王になることを予言された、とされているみたいよ。」




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