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魔法の本を手にしたら  作者: ふりまじん


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3/37

継続


暖炉の灯りを見つめながら隣に大好きな人の温もりを感じる。

雪が降り止んだ静かな庭で、新雪のドレスを身に纏った水の妖精がシューベルトの『アヴェ・マリア』を歌うのです。

シューベルトは18世紀に活躍した作曲家で30代で亡くなった短命な方でした。

生前は作曲家としての名はそれ程ではありませんでした。けれど、友人に愛され、そして数々の名曲は死後も彼のファンに愛されているのです。

また、彼は沢山の未完作も残しました。

それは、シューベルトのファンを悩ませ、その謎は現代においてもファンの心を離さないのです。

そう、未完は決して罪悪ではないのです。

作者が生み出すさまざまな物語もまた、どこかの誰かを、そして、私の心を楽しませてくれるものなのです。


「マジで、これはなんとかしないといけないわ。私、『アブラメリン…』を買ってから、すでに2ヶ月は過ぎてるもん。恐ろしいわね。これも早くなんとかしないといけないわ。」

作者は険しい顔で私に言った。

「何も、クリスマスくらいはもう少し、肩の力を抜いてみたらどうでしょう?」

「力を抜きすぎで2ヶ月経っちゃったもん。これ、更新して完読しないと次が買えないんだよ。」

作者は私に迫って文句をいいます。

「別に買ったらいいじゃないですか!100円なんだから。」

思わず言った私の言葉に作者は一瞬、黙った。それから、ヤレヤレといった感じで首を横に振って私をみた。

「それ、絶対、ダメなパターンよ。金にあかせてそう言う事すると絶対に読まずに終わるのよ。

そう、私、それで何度も本を無駄にしたもん。

それはさ、私の学生時代にネットはなかったわよ?でも、『ジギル博士とハイド氏』は対訳されていて、日本語も付いていたわ。でも、英語を読まない事に引け目を感じて面倒くさくて放置したのよ。

こう言うのはね、やったら、勢いでやらないと絶対にダメなのよ。」

作者は頬を膨らませて文句を言う。暖炉の灯りでオレンジ色に輝く作者を私は可愛いともいました。

「そうでしたね。英語の本を読むのは難しいですから。」

私はそういってチョコレートをのせた皿を作者に差し出した。作者は少し驚いて、そして、嬉しそうにひとつ取った。

「もう、すぐに誤魔化すんだから。でも、美味しいいわ。ま、ともかく、この企画は成功したら金鉱になるかもしれないの。」

作者はそういってチョコを口に入れる。

「またですか?金鉱も試掘ばかりだと破産しますよ。」

私は肩をすくめる。金鉱はともかく、私の枠は更新して欲しいところです。

「わかっているわよ。もう。でも、今回は実質の損が出るのよ。一年、書き続けた小説で稼いだ金を読まなかったら無駄遣いした事になるんだもん。」

作者は肩を回してやる気を見せる。

「はい、では、始めましょう。」

私は作者を見た。作者は書くため息をついてタブレットを開いた。


「不思議なものね。一年100円って凄く少ないと思ったの。なんとかしたいと焦っていたわ。でも、こうして本にして何かをするとなると、今度は買った本をなんとかする事に気がいって一年が早く感じるわ。」

作者はため息をついた。

「そんなに焦らなくても。」

「いいえ、初めの一冊は早く読み終わって完結しないと。多分、もう、やれなくなると思う。今までも経験がそう言ってる。1人で英字の本なんて読めないのよ。私みたいなのは。

でも、ある意味、投稿したのは良かった気がするわ。1人じゃ、絶対に完読できない気がして来たもの。

でも、毎日こうして投稿して、PVに慰められていたら、私、ワンちゃんある気がする。

それに、こういう、過去作を使ったものはそのまま、翻訳の機械の出してきた文書を丸写しとかして投稿するとかする人が出てこないようにちゃんとやり切らないと。」

作者は深いため息をついた。


著作権の切れた作品は誰でも扱う事ができます。たた、日本の場合、翻訳者にも著作権が生まれます。ただ、ネットの翻訳で何かをすることは、基本、問題はないようです。でも、そのまま作られた文字を書籍として載せたり、収益化したサイトに載せるのは問題になると思います。

我々もこの辺りを考えないといけません。

「他の方はともかく、私たちも気をつけないといけませんね。で、どうするのですか?」

私の答えに作者は肩をすくめた。

「まあ、やってみるしかないわ。基本、本当にメイザースが書いているかどうかはわからないけれど、10年は経ってるみたいだから。とりあえず、ここからは読んでいこうじゃないの。」

作者は叫んだ。


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