セレブレット・オカルティスト3
「あーっ、頭が痛くなったきたわ。悪い。ここで例え話するわ。ゲーム配信で。」
そういうと作者は話始めた。
それは、メイザースというなの外国のゲーム配信者の話だった。彼は高卒で事務職をしていた男で、ゲームにハマった所からゲーム配信で人気になり収益化に成功した。
彼は、日本のゲームが好きで金が溜まった時点で日本へとやってくる。彼には夢があった。ゲーム仲間の爺さんから聞いた伝説のゲームを日本で探したいと思ったのだった。
彼には日本で生活している姉さんがいた。姉さんの家で厄介になりながら彼は配信をし、日本のゲーマーとの交流を楽しんだ。
そこで、ボアと名乗る配信者と仲良くなる。彼とはSNSで本国にいた時から知り合いだった。
彼はエロゲーの達人だった。
「エロゲーの達人って、なんですか!」
私は思わず話を遮断する。
「だって、悪魔崇拝者なんてよくわからないでしょ?でも、伝説のエロゲーだったら、なんだか高そうな気がするわ。」
作者は不服そうにそういった。
「いいじゃないですか、悪魔もので。当時は悪魔召喚ものも人気でしたよ。それに、メイザースに伝説のエロゲーの話をするお爺さんって、おかしいですよ。」
私は作者を責めるようにみた。
「おかしいかな?私は聞いたわよ。伝説のエロゲーの話。パソコンがまだまだ高くて、ニッチな界隈のものだった頃、規制が緩くてなんだかすごいゲームが流れていたって、そんな伝説。私は聞いたわ。真実は知らんけど。」
作者はそう言ってまた話を続けた。
ある日、ボアは知り合いの町工場が店じまいするという話をメイザースに話した。そこの主人はゲームお好きで古いパソコンとソフトがたくさんあるということだった主人が亡くなったので、工場の片付けをしてくれるなら、なんでも持って行っていいと言われメイザースは配信の許可を取って1人片付け始める。
そこは宝の山だった。大きな機材は業者が持ってゆき、その後、細かな解体や掃除は大変だったけれど、夕方からは音を気にせずに朽ち果てた日本の町工場というレアな場所での配信をすることができた。
そこには80年代のパソコンが置いてあって、メイザースはなんとか起動するまでに至った。
ここで、少し大きなジュラルミンの箱に入れられた沢山のペラペラの何かを見つける。
パソコン用のゲームのソフトだった。
「全く、よく考えますよね。」
私は呆れた。
「でも、少し、頭がスッキリしたわ。この状況でよ?見つけたレアなソフトを、同じ配信をしていたボアがメイザースに手柄をみんな譲るってあると思う?」
作者は私を見る。
「あるでしょ?工場を片付けたのはメイザースなのですから。」
「まあ、そうだけど、そんなレアなソフトがあるなら、自分で片せばいいじゃない。」
作者は頑張った。私はカミツレのハブティーを淹れた。
少しクセのある甘いカミツレの香りが部屋に広がる。
「少し、落ち着いたらどうでしょう?確かに、ジュール・ボアという人物は怪しいところも有りますが、メイザースが見つけたアブラメリンの書に執着する理由がありません。実際、この本は爆死するのですから。」
勤めて穏やかにそう言った。作者はカミツレのお茶を少し見つめてから飲んだ。
「そうね。確かに爆死したわ。でも、その説で言うなら、悪魔崇拝でオカルトを扱うフランス人のボアが、この本の価値を否定した事になるわよ?
アブラメリンの書が本当だったら、ブーランなんて人物を知っている彼が放っておくとは思えないのよ。だって、ブーランは魔術戦をするような人物なのよ?この時点で悪魔が呼べる本を手にできたら、悪魔、呼びたいと思うでしょ?伝説のエロゲーを見つけて、昔のパソコンを扱えるなら、自分でやってみたいと思うでしょ?普通。なんで、メイザースにみんな任せるの?いや、彼は英語で紹介するとして、フランス語版はボアだって扱えたんじゃないの?メイザースの本ではないんだから。」
作者は不機嫌そうにテーブルを見る。私は、仕方なしにチョコレートを一つ、差し出した。
「まあ、ボアはブーランを支持はしていますが、悪魔召喚が出来たとは我々は調べられなかったのですから、ただの研究者だったのかもしれませんし、クロウリーも悪魔召喚は手こずっていますから、そうそう、実行出来ないものなのかもしれませんよ。」
私の言葉に作者は物思いに沈んだ。




