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魔法の本を手にしたら  作者: ふりまじん


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プロローグ


私はコーヒーを淹れた。今回はパプアニューギニア産をじっくりと時間をかけて。

作者は難しい顔で目次を読んでいた。私がコーヒーを置くとそこで私を見た。

「この話、どうやって書いてゆこうか?」

作者は肩をすくめた。

「普通に本を読みながら感想を書いてゆけばいいではありませんか。」

私は落ち着いてそういった。もう、それ以上の何があるというのでしょう?

「でも、それって、結構、面倒くさそうだよ。そして、この本は胡散臭いし。」

「胡散臭くても、クロウリーはこれでネットミームの、ええと、アイワスに巡り会えたのですよね?貴女も頑張ると、コーヒーを淹れる前には言ってませんでしたか?」

「うん。まあ、そうなんだけれど、この目次の説明。アブラハムの家系とか冒険の話とかを書いているんだけれど、この話を広げたほうが面白そうな気がしてきたよ。」

作者は肩をすくめた。

「では、その章から読んでゆけばいいではありませんか。貴女が望めば、風の精霊の勇者アブラハムも、水の精霊のアブラメリンも、いくらでも作り出すことができるのですから。」

私はそういってアロマカップに新しいお湯とウォーターリリーの精油を垂らした。

その高貴な香りを纏って、風の精霊が勇者に扮します。

「うん。それもいいけれど、まずはこの本の設定を整理しないと。」

と、作者は話し始めた。


私たちはメイザースが翻訳したアブラメリンの書を電子書籍で読んでいますが、メイザースは19世紀にフランスの図書館で誰かが写本したフランス語版のアブラメリンを読んでいました。

この本が、いつ、誰が、何の目的で写本したのかは分かりません。

しかし、年表はヒントをくれるのです。


各章の予告によると、1巻はアブラハムの冒険の話のようでした。

彼は1397年にヨーロッパを漫遊した話を書いているようです。


「で、さ、1397年と聞いて、ジャンヌダルクを探していた我々がおかしいと思うのは必然よね?」

作者はコーヒーをゆっくりと口に運ぶ。

「そうでしたね。ノストラダムスの短編を失敗したばかりに、ジャンヌダルクを調べる必要が生まれたのでしたね。」

私は作者との懐かしい思い出に目を細めた。

私の作者は、剛さんというどうにもならない自由人の友達がいて、彼を慰安旅行に連れてゆく為に小説を書き始めました。

初めは、剛さんのドジな話を書いて、小銭を少し儲けれれるサイトだと思って登録したそうです。でも、当時は収益化出来なかったので、そこから、公募に応募して入選を目指すという、過酷なチャレンジをする羽目になったのでした。

いろいろと考えて、作者は剛さんにノストラダムスを重ねて話を作るとこにしました。

昭和生まれの作者には、ノストラダムスの予言の本との因縁があったのでした。

貧乏な家に生まれた作者は、もらった小遣いを本を買うのに使っていました。そして、その本がノストラダムスの予言の関係でした。

そして、少女らしからぬ買い物に、お父さんに文句を言われていました。オカルトやら超常現象に興味と持つのは当時、根暗インキャと言われてヘイトを受けるのですが、恋占いの本と、付録のタロットカードを持った作者はクラスの女子の恋心とロマンスというチート防御力を手に入れて怪しい世界で生きていました。

「そんなものを買って面白いのか?そんなもん読んだって1銭にもならないだろ?」

作者の父親はそう言って作者を揶揄ったのです。作者はめげませんでした。当時のノストラダムス関連の本はとても魅力的だったのです。

近代社会の歴史から、ルネッサンスのいろいろ、南仏と、キリスト教のなぞ。

それは、現在の異世界もののようなキラやかで、不思議な世界へと作者を誘ったのでした。


が、時は平成、作者はインターネットで小説を書くことにして、そこで、ネットで調べ物をするようになりました。そして、知ったのです。ミシェル・ノストラダムス家のいろいろと、自分の読んだ本の

過ちについて。

で、ミシェルの父方の祖父を調べ、どうも、1430年、ジャンヌダルクが処刑された年に祖父が生まれたらしいという、ネットの怪しい情報から、ジャンヌダルクを調べ始めたのでした。

貧しかった作者のお父さんが、体を張って稼いだ金で買った本が、一銭の価値も無い。ファンタジーすら描けない資料。それは作者には耐えられなかったのでした。どうしても、ノストラダムスの本で、この本を資料に物語を書いて金をお儲ける。それは作者の新たな目標になったのでした。

目標になったまま、放置されているのでした。



「何、ため息をついてるのよ。もう。あの話も、何とかしたかったから、アブラメリンを買ったんだから。思えば、あの時から、私とアブラメリンは繋がっていたに違いないのよ。そして、ここをちゃんと調べたら、もしかしたら、ワンチャン、中世で物語を何とかできるかもしれないじゃない。頑張るのよ。」

作者は自分を励ますように言った。

「そんなに、何でも一度に入れ込まなくても大丈夫ですよ。この物語はアブラメリンの書というだけで魅力的じゃないですか。」

私は少し心配になる。やりすぎるといつも、中途半端になるのですから。

「そうね。でも、この話、怪しいわよ。何だか、カサノバがどうとらとか書かれてみたり、

というか1397年にエジプトの怪しげな魔法の話なんて、ユダヤ人が記すのはおかしいじゃない?テンプル騎士団が逮捕されたのいつ?」

作者は私をみました。

「1307年10月13日金曜日です。」

「そうよね?その前に、裕福なユダヤ人は資金を没収されてフランスを追放されているのよ?なのに、なぜ、フランスにこんなものがあるのかしら?」

作者は私に問いかける。

「それは、フランス人の誰かが必要だったからではないでしょうか?アブラハムという人はヘブライ語で書いていたようですから。」

私の言葉に、作者は肩をすくめた。

「もしくは、フランス人を騙したい人が、よね?多分、14世紀から18世紀あたりまで、結構、キリスト教の異端に対する迫害って大変だったみたいだもん。そうそう簡単にこんな書物を残すなんてしなかったと思うのよね。」

作者は面倒くさそうにそういった。

確かに、星占いの歴史を調べてその歴史が随分と若い事に驚いた事を思い出しました。


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