マジック・オブ
「なかなか面白い話ですね。確かに、バブルの時代の怪しい雰囲気と共に英子とメイザースの物語が気になってきます。」
私は正直な感想を言った。
19世紀イギリスは海外に植民地を持ち栄華を誇っていました。
時代は変わろうとしていました。その時代背景が英子の1980年台のバブル時代の混沌とした金満な日本の雰囲気と合っている気がしました。
数か国語を習得しているメイザースを作者は下町の移民に理由を求めました。
メイザースがまだ幼児だった1850年代急激な近代化と産業革命でテムズ川もロンドンの空気もよがれ切っていました。そして、この事が問題視された時代でした。
そこから100年、1950年代の日本もまた公害でが問題になっていました。
そう考えると、メイザースの物語がリアルに立ち上ってくるようです。
オアカルティストのメイザースの資料を私たちがネット以外で集めるのはとても難しいですし、かといって、想像だけで描くとなると、ファンの多いメイザースの物語は陳腐になるに違いありません。
しかし、100年後の日本。一人の女性の物語として進行すると、リアリティーがある話になるでしょう。
「でしょ?なんとなく時代が似ているのよ。そうして考えると、なかなか漫画になりそうな感じがするでしょ?1982年、英子は人生の曲がり角で一人の人物と出会うのよ。その人物は英子にセレブな生活と知識を注ぐのよ。ついでに占いも。」
作者は笑った。どうしてこうも、脱線してしまうのでしょうか、この人は。でも、そうは言っても、確かに面白そうです。
「そうですね。でも、今回は英文の完読が先ですよ。」
私は心配になってくる。確かに面白そうですが、まずは、目次です。」
「そうね。でも、ここに来て、『通り魔』の内容に少し展開が出てきたかも。」
作者は少し困ったような好奇心のある笑顔をする。
「ダメですよ。ええ。まずは目次です。英子さんはアメリカでこの本を見つけるのでしょうね。」
私は早口で先に進める。『通り魔』この話は私の作者の完結した短編で、切り裂きジャックをモデルにした藩士でした。メイザースがゴールデンドーンのロンドン支部を創設した1888年、あの有名な騎士先ジャック事件が始まるのです。いけません。長くならないように軌道修正しないと。
「そうね。確かに、妄想してないでまずは目次よね。」
作者は肩をすくめてページを開いた。




