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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:


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第8話 光の竹之内さん

「戸松、わざとやったでしょ」


「……、何が?」


 あの後、俺と溝口はすっかり仲直り出来た。そのおかげで休み時間の今、こうして話すことが出来ている。


「まあ、いいや。それで昨日お姫様とのデートは楽しかったの?」


 溝口はそう言いながら頬杖をつきながら、こちらを睨む。ムカつくならその話題出さなきゃ良いだろと思った、まあ俺がリア充になった訳じゃない事を説明すればいいか。


「いや、同じハンバーガーの店行って一緒に食べただけだよ」


「ふ〜ん、そこでポテトを『あ〜ん』とかやったんじゃないの?」


「するわけあるかあ!!」


 こいつ、俺を何だと思ってるんだ!?そんな事出来る訳無いだろ。朝から俺を興奮させるな。


「朝から本当に仲が良いですね」


「竹之内さん」


「ちっ」


 竹之内さんが俺達に話しかけてきた。隣にはメガネをキラリと光らせた太田さんも一緒だ。俺達と同じ高校生なのに本当にお付の人みたいだな。ていうか、溝口舌打ちしただろ。太田さんも何でこんな下等生物と話を言いたげな顔をしている。いや、思考が読める訳じゃないからなんとなくだけど。


「いや、まあ竹之内さんのアドバイスのおかげで仲直り出来たんだ」


「それは良かったです」


「ちっちっ」


 おい、溝口舌打ちが増えているぞ。竹之内さんは良い人なんだから仲良くしたほうが良いぞ。


「ところで、溝口さん、私ともお友達になりませんか?」


「え」


 先程まで不機嫌そうな顔をしていた溝口が呆気にとられたのか呆けている。その顔、マジで面白いから写真撮っちゃおうかな。


「い、いや、私なんて竹之内さんと釣り合ってないから……」


「釣り合うも何も無いですよ。同じクラスの仲間じゃないですか」


 そういうと竹之内さんは溝口の手を軽く掴んだ。溝口はびっくりして椅子の上でビクンと跳ねた。


「手はちょっと……」


「ああ、フェンシングの為の大事なものですもんね。申し訳ありません」


 竹之内さんは慌てて手を話した。それを見て溝口は顔を赤くして照れている。コイツも竹之内さんの光属性のパワーに押されているな。分かるぞ、その気持ち。ふと、太田さんが嫉妬するのではないかと心配になってチラッと見たがうんうんと頷いている。近付くのが男じゃなければいいのか?


「ていうか、私がフェンシングやっている事知ってたんだ」


「ええ、このクラスの人達の情報は何となく把握していますよ」


 俺の気の所為じゃなければ今、怖いこと言わなかったか?何、クラスメイトの情報って。俺は何処か恐怖を覚えて震える。溝口もちょっと怯えてる。俺はとんでもない人を友達にしてしまったのでは。


「ま、まあ、私なんかで良ければ……」


「私なんかなんて言わないでください。今度の試合でも一年生ながらフェンシング部の団体戦の補欠とはいえメンバーに入っているなんて凄いです」


 溝口はそれを聞いて顔が真っ青になっている。何でそんな事を知っているのかという顔だ。溝口は俺の顔を見たが、俺じゃない。それにお前、俺にそんな情報伝えていないだろと思って首を振る。


「わ、私、何をすれば……」


「ええっ、本当にお友達になっていただきたいだけなんですが……」


 竹之内さんは慌てて怖くないよ〜とアピールしている。傍目から見ている俺は他人事なので笑っている。とそんなやり取りをしていたら次の授業の時間になったので解散となった。


 ところで芦月学園はお坊ちゃま校として他の学校には珍しい授業がちょいちょいある。芸術科目で選択式になっているのだが茶道の授業、華道、はたまたバイオリン、コーラスなど他にも様々な種類がある。俺はバイオリンやコーラスなどやったことが無いので華道にした。おそらく昔からやっている生徒達には勝てないだろうが未経験者でもまあ真面目にやっていればそんな内申点を悪くしないだろうとの予測だ。ちなみに溝口も華道を選択している。曰く、茶道と悩んだが正座大変そうだしと言って俺と同じにした。


「全然出来な〜い」


「溝口、お前適当すぎるぞ」


 下にある剣山。針が沢山並んだ道具に花材、茎を指してバランスが良い作品にするというものだが、溝口のやつは茎をただ並べているだけで初心者の俺でさえそれが酷いものだと分かる。かといって俺の作品もどうにもバランスが悪い。


 周りを見てみると昔からやっている連中が多いからか俺達の出来とは比べ物にならない。そりゃ経験者が多いのは分かっていたがこうまで差が出るとは思わなかった。俺達は並んで頭を抱える。


「あれ、お二人どうしたのですか?」


 声の先を見ると竹之内さんがいた。彼女もそういえばこの授業を受けていたのか。いや、それより彼女は課題終わったのだろうか。


「ああ、私は課題を終わらせてます。先生から言う事無いから自分と一緒に他の生徒の様子を見て欲しいと言われました」


 俺が不思議そうな顔をしているからか竹之内さんは察したのかそう説明した。華道の先生から言う事がないってどういう事だろう。チラッと彼女が座っていたであろう空き席を見てみるとテレビで見たような作品が置いてあった。竹之内さんはマジで格が違うようだ。

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