第63話 買い出しに行くか
俺達はビーチバレーなどで遊んだ後、別荘に戻ってた。
「夜はどうしようか」
「料理も作って頂こうかと思っていたのですが……」
「至れり尽くせり過ぎたし、ここからは私達だけでやるよ!!」
竹之内さんの家のメイドさん達が何から何までやってくれたので溝口の提案により、ここからは食事などの準備は自分達でやろうということになった。まあ、学生達が自分達でやるというのも人生経験ですよと伝えるとメイドさん達も引き下がったのだ。
「この辺りにスーパーとかコンビニあるの?」
「え〜と、歩くと車で直ぐの所にスーパーがあります。徒歩ですと……、十五分程ですかね?」
それくらいなら歩いて買い物に行けるな。かといって全員で行く必要もないか。
「荷物になるし買い出しは俺が行くよ。晩飯と朝ごはんくらいの買い物なら、他にも一人か二人か来てもらえれば」
俺がそう言った瞬間、竹之内さんと溝口の目が光る。
「では道が分かる私が行きましょう」
「いや、竹之内さんより私の方が荷物持てるし私が行くよ」
二人で自分が買い物に行くと言い出した。買い物なんて面倒なだけだろうに何で張り合うんだ。
「私は大丈夫です……」
「面白そうやし、うちも混ざろか」
太田さんは二人の剣幕に押され自分は行かないと言って、桑原さんはニヤニヤ笑いながら二人の間に入る。
「な、なんで桑原さんまで混ざるのよ」
「そ、そうですよ。私達で決めようとしてるんですから……」
とうとう三人で話し合い始めてしまった。どうでもいいから早く決めないと夜ご飯遅くなるぞ。
「はあ、決まったら教えてくれ。太田さんおやつでも食べて休んでようぜ」
「そ、そうですね」
三人でわーわー言ってる間に俺達はリビングにあるソファーに二人並んで座る。
「三人共、遊び疲れてるだろうに元気だよな」
「ふふ、戸松君と一緒に買い物に行きたいんですよ。乙女心です」
……、恥ずかしいがどうやらそういう事なのだろう。まあ、桑原さんは面白そうだから混ざっているだけみたいだが。
「俺なんかの何処が良いんだろうな」
「さあ、お二人に聞いてみたらどうですか?」
太田さんは笑いながらテーブルに乗っているクッキーを食べる。俺もそれにつられてクッキーを手にとって食べてみる。
「うまっ」
「本当ですね。メイドの方達に何処で買ったのか聞いてみたいです」
流石、竹之内さん、こういうお菓子もそんじゃそこらのものじゃないのね。
「太田さんはさ」
「はい?」
俺はふと気になる事を尋ねてみようかと思った。
「太田さんは気になる男子とかいないの?」
「えっ、そんなのいないですよ」
そうなのか、学校にはイケメン御曹司やらなんやらいると聞くがあまり興味が無いのかな。
「そうなんだ。でも太田さんモテるでしょ」
「そんな事無いですよ……、みんな美帆様の方を見ますから」
なるほどな。隣にいつも竹之内さんっていうかなり目立つ人がいたらそちらに向いてしまうものなのか。
「でも太田さん、凄く可愛いのに周りの男子達は勿体ないな」
「な、な……、何を言ってるんですか」
太田さんは顔を赤くしてワナワナ震えている。え、俺褒めただけなんだけどマズイことしたか?
「わ、私まで口説こうとしないでください!!」
「ごめん、俺は今まで誰も口説こうとしたことはない」
俺がそう言うと、太田さんは「マジか、コイツ」と言わんばかりにドン引きしている。俺は無実だ。
「へ〜、峻、私達が話し合いしている間に女子口説こうとしてたわけ……」
「峻君、酷いです……」
「ぷぷ、おもろ」
話し合いが終わったのかいつの間にか三人がリビングに戻ってきていた。溝口はゴミを見るような目、竹之内さんは涙目でこちらを見ている。桑原さんは笑いをこらえているのかそっぽを向いている。
「お、おう、話し合い終わったのか?」
「話し逸らしたよね」
溝口がジト目で俺の顔の眼の前に立つ。近い近い。
「え〜、じゃんけんによりウチが行くことになったで」
どうやら桑原さんが買い物に行くことに決まったらしい。二人は何故か悔しそうに桑原さんを見ている。いや、買い物行くだけだぞ。
「で、夜ご飯何するんだ?」
「あ、そうそう、何か別荘にバーベキュー用のコンロあるみたいだから肉とか野菜とかバーベキューで食べれそうなの買ってきて」
おお、バーベキューか。確かに夏の別荘って言ったらそういうのだよな。楽しみになってきた。
「おっけー。じゃあ食材と飲み物と明日のパンとか買ってくれば良いよな?」
「お願い!!」
という事で俺と桑原さんの二人で買い物に行くことになった。
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