第40話 すれ違いの連続
「そ、それってどういう?」
「私も何でそんな事言うのか。分からなくて、だから君に……」
という事は辞めるかもしれない理由を仲の良い工藤さんにも話していないという事か。でもそんな事……、いや昨日それらしきことを言っていた。
「昨日、勉強を頑張らなきゃいけないとか、遊べるようになるとか言ってたのはそういう事か……」
「真由子がそんな事を……」
二人揃って黙ってしまう。俺にはその理由が検討もつかない。
「この話って他にも知ってる人は?」
「多分、私と今話した君だけだと思う……。内容が内容なだけに他の部員には話してないの」
まだ先生などには話していないのか。全国までいくような実力者の溝口がどうして急に……。
「溝口って部活だとどんな感じなんだ?」
「う〜ん、あまりに強いから嫌いな先輩が少しだけいるよ。ただそんな気にしてなさそうだったし。他の部員とは仲悪くないし分からないかな」
考えられるとしたら嫌われているという先輩絡みか?情報が無いし仲良しの工藤さんに話していないという事はなにかあるのか。
「俺から溝口に探りを入れてもいいか?そうしたら話が君から漏れたことはバレるから迷惑をかけるかもしれないが」
「いや、私もそうお願いしようと思っていたんだ。お願い出来る?」
工藤さんはとても心配そうな顔をしている。女子にそんな顔でいて欲しくないし、何より溝口の様子が気になる為、工藤さんに協力する事にした。
そして朝礼時間も近付いてきたので俺達は解散してそれぞれの教室に向かう。
「あれ、随分ギリギリだね」
「あ、ああ。腹が痛くて」
席に着いた途端、溝口に話しかけられてドキッとしてしまう。少し溝口の様子を見てみるがいつもと様子が変わった所などない。
「何かあるの?」
「え?」
「いや、ずっと私の顔を見てるじゃん」
やべ、様子を見ていたのがバレてる。なんて誤魔化すか。
「い、いやあ、今日も元気かなと思って」
「ハア?何言ってんの?」
誤魔化すの下手くそすぎる。こういう時何て言えば良いか分からないの……。
「黙ってたら可愛いのにいいいいいいい」
溝口が俺の腕を思いっきりつまんできた。痛い。皮膚千切れたらお前に治療費請求するからな。
「黙っていても可愛いでしょ?」
「そ、そうですね」
とまあそんな事がありつつ、俺はいつその話をしようか悩んでいた。まとまった時間といえば昼休みだ。竹之内さんと太田さんに溝口と二人にさせてもらえるように話をしておく必要があるな。
そして一時間目が終わった後の休み時間、竹之内さんと太田さんが話している所にお邪魔をする。
「竹之内さんと太田さん、ちょっといい?」
「あら、休み時間に珍しいですね。どうしました?」
俺と竹之内さん達が話すと目立つ為、休み時間はあまり話さない方が良いよねということになっている。
「いや、今日の昼休みなんだけど溝口と俺の二人きりにさせてもらえないかな?」
「……、もしかして私達はお邪魔ですか?」
ん?何か竹之内さんの様子がおかしいぞ。俺おかしな事言ってないよな?
「いや、そういう訳じゃないんだけどちょっと大事な話があって」
「……」
何か急に竹之内さんが黙っちゃったんだけど、どうしたんだ?何か太田さんもワタワタしているし。
「と、戸松君、大事な話って……」
「え、内容はちょっと言えないんだよ」
溝口が部活を辞めるかもしれないという話はあまり広めない方が良いだろうな。ていうか竹之内さんの表情はどんどん暗くなるし太田さんは頭を抱え始めるし何だって言うんだ。
「……、分かりました。結果どうなったかは教えてくださいね。まあ、分かりきってるでしょうけども」
「?」
俺、何を話すかを全く伝えていないのに竹之内さんは分かっているのだろうか。俺は首を傾げる。
「また今度、一緒に昼食べような」
俺は二人にじゃあと手を上げて自分の席に戻る。その後の授業、何かやたら竹之内さんと太田さんが俺の方をチラチラ見ていた。
そして昼休憩の時間になった。
「あ〜、やっとご飯食べれる〜」
「溝口、昼休みなんだがこないだのベンチで食べないか?」
俺は隣の溝口に提案する。溝口はきょとんとした顔をしている。
「良いけど何で?」
「ああ、ちょっと二人で話したいことがあって」
「ふ、二人?竹之内さんと太田さんは?」
「いや、今日だけは俺達だけだ」
学食や教室では誰に聞かれるか分かったもんじゃないからな。
「え、ええ。二人きり……、良いけどさ……」
何か溝口の顔が赤くなってきているな。こいつ大丈夫か?
「体調悪いんだったらまた今度でも良いんだが」
「い、いや、大丈夫!!そしたら購買に行くよ!!」
何故か上機嫌の溝口は財布を持ってルンルンで教室を飛び出していった。あいつ、何で機嫌良いんだ?
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