第34話 これからどうしようね
「俺が悪いのか……」
何故か俺は二人に責められてしまう。俺はハッとしてスマホの時計を見るともう昼休みが終わる時間になってしまう。
「二人とも、もう時間無くなるからその話はまた後で」
「ちっ」
「仕方ないですね」
俺達、三人は慌てて教室に戻る。戻った時のクラスメイトの顔はこちらを不思議そうにジロジロ見られる。居心地が悪いったらありゃしない。その後すぐに授業が始まってくれたから良かったが問題はその授業が終わった後だった。
「戸松君、ちょっとお時間良いですか?」
俺が教室の外へ脱出する前に太田さんに捕まってしまった。俺が一瞬固まっていると竹之内さんがツカツカとこちらへ歩いてきた。
「太田さん、戸松君をあまり困らせるようなことは……」
竹之内さんは俺を心配して太田さんを止めに来てくれたみたいだ。もしかして今日ずっとこんな感じだったのだろうか。だったら俺が逃げるのはまずかったのかもしれない。まあ、こんな事態になったのは竹之内さんのせいではあるんだが。
「あっ、いえ別にそんな変な事は言わないつもりですよ?」
意外にも太田さんは普段通りというか俺を責め立てるつもりは無いみたいだ。
「ただクラスでは話したくないので放課後でも良いですか?もし宜しければ美帆様も一緒に」
「分かりました」
「俺も了解」
太田さんは「じゃあ、また後ほど」と言って自分の席に戻っていった。正直俺に質問攻めするんじゃないかと心配していたから拍子抜けというかなんというか。竹之内さんも同じ事を思っていたのか俺と目を合わせて首を傾げる。
「何いちゃついてんの?」
隣の席の溝口だ。竹之内さんはそれを聞いてびゅーんと自分の席に戻っていった。
「でも太田さん、話ってなんだろうな」
俺は滅茶苦茶強引に話をズラす。溝口は一瞬、呆れた表情をしたがまあ良いかと呟いて考える。
「さあ、分かんない。でも他のクラスの連中とは違って、アンタ達の仲を勘ぐろうって感じじゃなかったね」
溝口は顎でクラスの連中を指す。みんな俺の方をチラチラ見ている。竹之内さんと仲良くなって以来こんな感じとはいえ、良い気はしないな。
そうして放課後、俺、竹之内さん、太田さんの三人は食堂にいた。放課後はあまりここに人はいないから教室より丁度いいという事で決まった。俺と竹之内さんが隣に座りテーブルに向かい合う形で太田さんが座った。
「で話って?」
太田さんに何の用で呼び出したのか問いかける。
「教室があんな感じでお二人過ごしにくいと思ったので今日はその対策をと思って」
「え?それを太田さんも考えてくれるの?」
太田さんは「勿論」と答える。以前の太田さんだったら今頃俺はバットで殴られててもおかしくないのに随分優しくなって……。
「まあ、私からクラスの人達に二人は親友だから気にするなと伝えているんですけどまあ抑えられていなくて」
「そ、そうなんだ。ありがとう!!太田さん」
俺は太田さんに頭を下げる。すると竹之内さんも一緒に頭を下げた。
「お二人共、止めてください。私が好きでやってるんですから」
「私から峻君にも謝らなければいけません」
竹之内さんは俺の方を向いて頭を下げた。俺は慌てて顔を上げてと促す。
「私、峻君と一緒にお出かけしたのが嬉しくて調子に乗っていたんです。それでこんな事になるとは」
まあ、自分の影響力を分かっていなかったというのは事実ではある。だけど嬉しくてはしゃいだくらいでクラスの奴らは大騒ぎで本当に面倒な連中だ。
「それでお二人は付き合い出したってことで良いんですよね?」
太田さんはさも当然のようにおっかないことを言い出して俺と竹之内さんはビックリして一瞬反応できなかった。
「違うよ?」
「え、付き合ってない……。私てっきり……」
結局、太田さんも同じ勘違いをしていたらしい。まあ、あれだけ見てたら付き合い出したように見えてもおかしくはないか……。
「まあ、でもそれならクラスの人達にはそう伝えますよ。まあ、今後付き合ったとしてもどうにかしますけど」
「いやいや、俺と竹之内さんが付き合うわけ無いじゃん」
俺がそう言うと隣から何故かプレッシャーを感じた。何だ!?竹之内さんを見ると何故か頬を膨らませている。
「峻君は私と付き合いたくないという事ですか?」
「え、いや俺じゃなくて竹之内さんが俺なんかじゃ嫌でしょ」
俺達はお互い、顔を見合わせて首を傾げる。何か噛み合ってないな。太田さんは俺達の様子を見て深い深いため息をついた。心労かけてごめんね。
その後は少しだけ話して解散という形になった。でもこんな状態じゃ今週から俺達四人での勉強会どうするか。まあ、外でやれば良いだけか。流石に今日は俺と竹之内さん一緒じゃないほうが良いという事で竹之内さんには先に帰ってもらった。
「太田さん、ありがとうな」
「いえ、戸松君と美帆様のためなら」
竹之内の為は分かるけど俺のためか。俺の事も友達だと思ってくれた事が嬉しい。俺は嬉しくなって太田さんの手を取る。
「へっ!?」
「太田さん、本当にありがとう」
「もう分かったので離してください!!」
太田さんは顔を真っ赤にして叫んでいた。
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