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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:


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第30話 隣にいて欲しくて

 こうしてプラネタリウムは始まった。俺はすぐ隣にいる竹之内さんのおかげで緊張しっぱなしで、アナウンスの声も全然聞こえてこない。隣の竹之内さんをチラッと見る。彼女は満点の夜空に目を輝かせている。俺が隣にいても関係ないか……。


 俺が彼女を見ていたのはほんの一瞬だったと思ったが、竹之内さんはこちらに顔を向けてウィンクをした。可愛すぎる。何か今、目から星のエフェクトが見えたぞ。俺は見つめていたのがバレたのが恥ずかしくてすぐに真上を見上げる。プラネタリウムには大きな月が映し出されていた。


「月が綺麗ですね」


「あ、ああ、そうだね」


 竹之内さんは小さな声で話しかけてきた。俺は急に話しかけられたこととその言葉に驚いてしまう。月が綺麗ですねって言うことの意味なんて竹之内さん知らないだろうしなあ。俺は心を落ち着けるために深呼吸をする。その様子を見てまた竹之内さんにフフッと笑われる。


 その後三十分ほど、様々な天体を映し出したり、その間クラシックが流れていておかしな雰囲気になりそうだったが俺は必死に耐えた。なんだロマンチックな感じにしないと気がすまないのか?


「来てよかったですね」


「そうだね」


 プラネタリウムが終わった後、俺たちはお土産コーナーを見て回る。あ、そういえば俺ってここのチケット代払っていなかった。


「そうだ。俺チケット代払ってなかったよね。いくら?」


「お代はいりませんよ」


 まただ。まあ、実際お金持ちの竹之内さんからしたら大したことない金額なのだろうけど俺だって男だ。自分の分くらいは払う。


「いや、だめだよ。前にも言ったけど友達なら割り勘だよ」


「本当にだいじょうぶ……、いえ、思いつきました」


 思いつくってどういうことだ?竹之内さんはお土産コーナーを指さす。


「そうおっしゃるなら何か私にプレゼントしてくださいませんか?」


「へ?」


 どうやらチケット代そのままではなく、何か買ってその代わりにしてほしいということだろうか。なるほど、それならいいよと言って売り場を覗き込む。


「う〜ん」


 なかなかこれといったものが見つからない。お菓子とかだと何か味気ないしそもそもお代に達していないだろう。アロマキャンドルなんかもいいかと思ったが貰ってうれしいかなあ。


「何かほしいものとかある?」


「戸松君からいただけるものだったら何でもうれしいですよ」


 これである。いや、これは男の技量が試されているのかもしれないな。変なものをあげたらこわい未来が待っているかもしれない。


『あいつ、こんな変な物渡してきたわ〜』


『あのばか、こんなの女子に渡してどうする気なのか。キモっ』


 俺の脳内の悪魔たちがボロクソに言ってくる。いや、竹之内さんはそんなこと言わないぞ。苦笑いして受け取ってくれるだけだ。辛い……。


 ネックレスなんかもあるが高いし、そもそも女子にアクセサリーなんか渡したらそれこそ変な感じになるだろう。マグカップか。ちょっと高いしな〜。悩んでいるうちにあるコーナーが目についた。


「アクリルチャームか……」


 そこには星の形をしたおしゃれなアクリルチャームが置いてあった。値段もチケット代くらいだし、ネックレスをプレゼントするよりははるかにいいだろう。


「竹之内さん、これなんてどうかな?」


「あっ、かわいいですね」


 竹之内さんの目が輝いてみえる。よし、これに決まりだな。俺は一つを取ってレジの列に並ぶ。そしたらなぜか竹之内さんも俺の後ろに並んでいる。


「あれっ、並ばなくても待っててだいじょうぶだよ?」


「いえ、私も買いたいものもあったので」


 俺は一緒に買おうかと提案したがだいじょうぶですとやんわり断られる。まあ一人で待つより一緒に並んだほうがいいか。俺は先にレジを済ませて竹之内さんのレジを待つ。一体、何を買ったんだろう。


 俺たちは一緒に外へ出る。プラネタリウム、何か思ったよりムーディーな感じでめちゃくちゃ緊張したな。俺は大きく伸びをして深呼吸をする。はあ、空気がおいしい。


「あ、そうだ。はい、アクリルチャーム」


「ありがとうございます」


 俺は袋ごとアクリルチャームを渡す。竹之内さんは袋を開けて中身を取り出す。そして学生鞄につけた。いきなり身につけてくれるとは思わず少し驚く。


「私からも」


 竹之内さんは先ほど、買ったものか同じ袋のものを俺に手渡す。何だろうと思って立ち尽くしていると竹之内さんから開けてくださいと促される。俺は慌てて袋を開けると竹之内さんに渡したものと同じアクリルチャームが入っていた。


「こ、これは?」


「私からもプレゼントです。つけてくれないんですか?」


 俺は慌てて鞄につける。正直、男子が鞄につけるものにしてはかわいすぎると思ったが竹之内さんは満足げだ。ていうかこれプレゼントされたらチケット代の代わりにならないんじゃ。


「いや、そしたらチケット代の意味が……」


「むう、細かい男性は好かれませんよ」


 ええ、そんなこと言われたら追求できないじゃん。俺って何。紐なの?竹之内さんはニコニコ笑っているからまあ、いいのか?


「これ私たち、お揃いですね」


「あっ」


 慌ててつけたから気がつかなかったが、確かにこれペアルックになっちゃってるじゃん。何か急に恥ずかしくなってきた。


「それ、勝手に外したら許しませんから」


 許さないってなんですか……。俺どうなっちゃうの?

もしよろしければブクマや☆、いいね、感想いただけると幸いです

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