第21話 チーム勉強会発足
「ていうか俺と話がしたいって、もしかして今日の出かけた話を聞きたかっただけか?」
「そうだけど?」
当然じゃんと言いたげな表情である。いや、それこそ明日学校で話せばいいじゃんか。部活終わりで疲れてるだろうに早く帰りたくないのか。
「何?早く帰りたいの?」
溝口は眉間に皺を寄せて問い詰めてくる。それは勘違いなので怒らないでください。
「違うよ。お前が部活終わりで大変だろうに大丈夫かって思っただけだ」
「そりゃ死ぬほど疲れてるけどさ。それこそ……、友達と話したいじゃん……」
「まあ、お前が良いなら良いけどさ。こんな所でずっと立ち話ってのもあれだろ」
俺達は駅前で立ってずっと話している。溝口はそれがなにか?と言いたげである。たしかに女子っていつまでも立ち話してる時あるよな。あれ、疲れないのかとずっと思ってたわ。
「でも喫茶店なんか行く程でもないよね」
「そりゃ、そうだな」
もう大分日が落ちているしあまり遅くなるのも良くないだろう。俺達はじゃあ、今日は解散しようかということになった。
「まあ、いっか。じゃあまた明日ね」
「おう、また明日」
そのまま俺は家に帰る為、電車に乗り込んだ。電車内で今日の出来事を思い出す。元々友達といえば溝口だけだったのに竹之内さんとも仲良くなれたし太田さんも友達になった。進歩といえば進歩なのだろうか。そういえば、溝口ってどうやって友達になったんだっけ。隣の席だから溝口から話しかけてきたような気がするんだが、男子の俺と友達になろうって思ったのは何でなんだろう。今度アイツに聞いてみるか。
次の日俺は重い足を引きずり登校する。ここの所、学校終わり何処かに遊びに行っていたので疲れているからだ。だが今日は金曜日!!今日こそ乗り切れば土日ゆっくり出来るぞと思っていた。しかし、現実はそう甘くなかった。
「来月、中旬は中間テストだからな」
朝礼の時の担任の言葉に俺はハッとさせられた。すっかり忘れていた。いや、まだ二週間くらいあるから大きな問題では無いが今週のように放課後遊び放題というのは避けた方が良いだろう。何となく横の溝口を見ると寝ていた。いや、こいつ授業中寝まくりだし一番ヤバいだろと思ったが放って置くか。コイツがテストで泣きを見ても知らん。しかし問題は朝礼後に起きた。
「戸松君、土日何処か遊びに行きませんか?」
「え?」
竹之内さんの一言である。いや、まだテスト期間というには早いから遊ぶ生徒は多いと思うのだが。
「い、いや、中間テストが来月あるから土日はちょっと」
本当は放課後も勉強したいのだが毎日でなければ今は良いだろう。流石にテスト一週間前のテスト期間などは遠慮して欲しいしが。まあ竹之内さん本人も勉強するだろうし誘わないはずだ。
「あっ、そうですね。すみません。二週間後だからって気を抜きすぎですよね」
「いや、違うんだ。他の人もまだ遊ぶ人多いと思うし。ただ俺は奨学金の為に頑張らないといけないからさ」
「特待生ですものね。辛くなったら言ってください。戸松君の家から授業料を取らないで欲しいとお願い出来ますので」
それどういう意味なんだろう。竹之内さんの鶴の一声で特待生じゃなくても俺の学費免除されるの?流石にそういう怖い大人の力は欲していないので首を横に振る。
「大丈夫大丈夫。それに将来の為にも勉強しないとだしね。大学も行きたいし」
「将来のお仕事もご用意致します!!」
それも大丈夫だからと断る。竹之内さんはショボンと落ち込んでしまう。竹之内グループ、マジで俺の家の将来くらいだったら簡単に操作出来ると言われているみたいで滅茶苦茶怖いんだけど。竹之内さんの機嫌損ねたら俺の家壊せるよな。まあ竹之内さんはそんな酷い事しないとは思うけど。
「戸松君とは事情が異なりますが私も山王さんと中間テストの点数で勝負という話がありますので勉強したほうが良いですね」
そういえば食堂で山王さんに勝負を持ちかけられていたっけ。あれ本気だったんだ。
「でしたら勉強会でも致しませんか?」
「勉強会か〜。良いね」
竹之内さん真面目だしお互いで分からない所とか教えあうのはいい機会かもしれないと思った。隣で聞いていた溝口がガバッと起き上がった。
「それ私も参加したい」
「ええ、お前も?」
「何、竹之内さんとは良くて私は嫌な訳?」
「違うよ。お前真面目にやんのかって話」
溝口はうぐっと苦しい声を出した。授業ですら寝るお前が自主勉で真剣にやる姿が想像できないんだよ。それに部活があるだろうと言うとフェンシング部はテスト一週間前から放課後は活動止まるらしい。まあ学生は勉強が本文だからな。
「真面目にやるからお願い!!顧問に補習行きますとか言うと凄い怒られるらしくてさ」
「はあ、じゃあテスト一週間前からここのメンツで勉強会やるか」
溝口はやったーと両手を上げて喜んでいる。分からない所を全部俺に聞いてくる算段なのだろう。まあ人に教えられるほど理解力を高めて置いた方が良いという話もあるから良いか。三人で盛り上がっていると太田さんが前からやってきた。
「わ、私も良いですか?」
「太田さんも勿論大丈夫だよ」
こうしてチーム勉強会が発足された。
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