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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:


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第18話 お嬢様とのクルージングはいかが?

 つまり、自家用クルーザーを俺達二人の為に、運転手、シェフやスタッフの方が働いてくれるという事だ。意味が分からん。


「もう準備してくださっているみたいです。行きましょう」


「は、はい」


 俺は呆気に取られて反応が遅れてしまった。これ元々予定していた訳じゃないよな。今日のお詫びって事でということだし数時間のうちに準備し終わったのだろう。


「ほら、遅くなってしまいますよ」


「あ、ああ」


 竹之内さんは俺の手を握って引っ張った。俺今、竹之内さんと手を繋いでしまってるなんだけど。え、俺手汗やばくないか。


「竹之内さん、手が。俺手汗とか……」


「大丈夫です。綺麗な手です」


 何だかよく分からないフォローをしてもらいながら、一緒に船内に入る。そこには何個もテーブルが置いてあって上にはポテトなどの軽食と様々なスイーツが置いてある。


「まだ夕飯には早いので軽めのものだけ置いてます。どうです?」


「い、いやあ、こういう経験が無いからただ驚いているよ……」


 実際、クルーザーはそんなに大きくない。恐らくそれは参加者が俺達だけだからだろう。それでも豪華な船内に何故かシェフ達が端に立っている。俺達二人しかいないんだから新しく作る必要無いだろうに。


「何か食べたいものがあれば私が持ってきますよ」


「い、いや、そんな事させられないよ。自分で取ってくる」


 俺はトレーを持って何があるか見て回る。軽食といっても一貫ずつの寿司や何か高そうなポテト、からあげなどがあるので少しずつ取っていく。スイーツも一口サイズのケーキやパフェなどが沢山並ぶので合わせて取っていく。こうして見ると学食のビュッフェも上質なものだがそれ以上のものであることが分かる。


「あ、そういえば飲み物どうしますか?カクテルなど作って頂けますよ」


「カクテル?俺達酒飲めないじゃん」


 よくは知らないが酒の名前だった気がするんだが、それを聞いて竹之内さんはふふっと笑う。


「勿論です。ノンアルコールですよ。飲みたいものございますか?それとアレルギーなど飲めないものなどありますか?」


「アレルギーは特には。よく分からないからお任せで」


 そう言うと、竹之内さんはシェフの人にお任せで二人分カクテルと注文していた。ただ注文しているだけなのに何だかカッコいい。俺達はある程度トレーに載せ終わったので来客用の席に着く。


「何だか、凄い所に来ちゃったみたいだ」


「東京湾ですし。港の直ぐ側なので別に遠い所じゃないですよ」


 いや、俺が言いたいのはそういう事ではない。この船内が豪華すぎて気後れしているのだ。まあ、そんな事を言うのも野暮かと思い黙る。という事で俺達は料理を食べる。今まで食べたことの無いような味に驚く。美味すぎる。


「どうです?」


「い、いや、凄い美味しいよ。船内も綺麗だしとにかく凄いとしか……」


 竹之内さんはそれは良かったですと言って自らも料理を食べ進める。しかしまあ、この狭い空間に俺達とシェフしかいないからちょっと緊張するな。


「私、今楽しいんです」


「えっ」


 それは独り言だったのだろうか。あまりに小さい声だったので反応すべきだったか分からないが自然と声が出てしまっていた。


「何故か、私の両親やお友達は男子なんて危ないからと言って遠ざけていたんです」


「……」


「実際、媚びたような目で見られることは私ながらにも分かりました。だから今までは特に良いかと……」


 つい昨日までの太田さんの様な人を指しているであろうことは分かった。大企業の娘、そしてそれに相応しい美貌。確かに様々な欲を向けた男子が寄ってくる事は想像に難くない。


「ですが、私の前でもいつも通りに接してくれる戸松君が隣にいて楽しいんです」


「そりゃ良かった」


 言えない。ただ、俺は竹之内さんと全くチャンスが無いと諦めている事を。それ故に普通に接する事が出来るのだと。俺は冷や汗をかきながらも大人しく聞いている。


「戸松君は私と一緒にいて楽しいですか?」


「当然楽しいよ。正直、俺とは価値観が全然違うとは思ってる……」


「そ、そうですよね」


 竹之内さんはしょぼんと落ち込んでいる。俺はまだ言っていない事があるから待ってくれ。


「でも、それが楽しいと思うんだよね」


「え?」


「竹之内さんが言ったんじゃないか。『私達の様に一緒にいれば話が出来る』って」


「は、はい」


「価値観が違うからこそ、楽しい。そう思えるようになってきたんだ。まあ、クラスの奴らには好かれていないから偉そうな事は言えないんだけどさ」


「ふふっ、クラスの皆も今の戸松君を知れれば仲良く出来ますよ」


 俺達はそうやってお互い笑い合う。船内の落ち着いた雰囲気がこういった話をさせてくれたのだろうか。


「そうだな。だから俺と竹之内さん、友達としてこれからも仲良くやっていこう」

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