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第0話 閑話 おとんの本望
「なぁ、ヴォレイシア」
「何」
「父さんはな、お前に受付嬢勇者に、なって欲しかったんだ」
「……え?」
「でも、お前を見て確信したんだ。『ダメだった』って」
「…………(微かな呼吸の音)」
「だからこそ、父さんは、お前が『受付嬢勇者』を志した時、すっごく嬉しかったし、すっごく自分の育ての悪さを悔やんだ。だから——。あんな大声出して、ごめんな」
「ううん」
「じゃあな」
「うん。バイバイ。——おとん」
軽い苦笑が聞こえて、闇は徐々に溶けていった。