Method32:予兆1
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
カタカタカタ、タン。
カタカタカタカタ、タン。
マンションの自室で神崎がモニターを見ながら、ブラインドタッチで入力を続ける。
カタカタ、タン。
神崎はユニオンの暗号コードを解読していた。
カタカタカタ、タン。
神崎がデータを打ち終わるとモニターに文字が映し出された。
「碧海より生誕せし愚の種族、その軌道は刹那の系譜。
あるいは朧気な神の追憶。
そして全ての発端は……遥か彼方の混沌に帰す……」
「それが今回の”予兆”か……?」
神崎の椅子の後ろに立っていた円がモニターを覗く。
「待て。今から暗号の複合化をする」
再び神崎がキーボードを叩くと、ある人物の名前がモニターに出た。
「”響 由香”? ……何者だ?」
「良くは解らないが、ユニオンの事だ。何か考えがあっての事だろう。
タイミング的に考えると集会に関わる人物と思われる」
「実験体か……」
そうつぶやくと、円は眉を寄せて腕組みをする。
「実験体かはわからないが、重要人物ではある。響との接触は可能か?」
「そうだな、今日にでも接触してみる」
神崎は眼鏡のつるを指でをくいっと上げた。
「出来るだけ早く……かつ穏便にな。奴等もそろそろ動き出す頃だ」
「わかった。他に響の情報は?」
「H高校、2年」
「なるほど。ならば直接学校へ潜入してみる」
「制服は俺が用意する。よろしく頼む」
会話が一区切りつくと、神崎は立ったままの円に向き直った。
「昨夜はうなされていたようだが……大丈夫か?」
「問題ない。少し夢見が悪かっただけだ」
淡々と答えて円は部屋から出ていった。




