Method16:時の迷宮3
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
その日、恋が部屋に帰ってくることはなかった。
不思議に思った由香は渚の袖を引っ張った。
「ねぇ、渚お姉ちゃん。恋ちゃんはどうしたのかなぁ?」
「わからない。今までこんなことは無かったから……」
部屋に重い沈黙が流れる。
ずっと一緒にいた恋がいなくなっただけで皆が不安になる。
由香はその不安を打ち払うかのように、ひたすら折り紙を折り自分を落ち着かせた。
一週間が経った。
だが、冷川恋が二度と戻ってくることはなかった。
胸騒ぎがした。
今までの平穏が壊れる音が、遠くから聞こえるような気がする。
更に1週間後、男性職員が由香たちの部屋に入ってきた。
「進藤渚さん、こちらへ」
由香は恐怖を感じた。
ここで渚が出ていったら二度と会えない気がする。
勇気を出して、由香は男性職員に訊いてみる。
「あ、あのっ、恋ちゃんはどうしたの?」
「心配ないですよ。冷川恋さんには別の部屋に変わってもらっただけです」
単に部屋を移動しただけと聞いて、由香は胸を撫で下ろした。
恋は空いた広い部屋に移っただけなんだと思った。
でも……、渚はどうしたんだろうか?
部屋が変わるのか?
もう渚とは会えなくなるのだろうか……?
不安が由香の中で徐々に広がってゆく。




