Method14:時の迷宮1
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
「あれ……? ここは……?」
由香は周囲を見渡した。
青暗い空間に1つの通路だけがかろうじて見える。
2人の頭上に虹色に輝く鳥が羽ばたいていた。
『”時”に迷いし者よ。時の迷宮にようこそ……』
「……時の……迷宮……?」
戸惑いながら、由香は隣に立つ佑実子と顔を見合わせた。
『汝等は、突発的な時空の歪みから迷い込んだようだ。汝等は今、現実の時間から3分進んだ存在となっている』
「えっと、……現実より、3分先の未来にいるって……こと……?」
由香が問いかけると鳥は羽ばたきながら頭を上下に振る。
『そうだ。つまり本当のお前たちの意識は今、現実の時間にいない事になる』
『汝等は失われた”座標”を取り戻すため、時の迷宮を抜け出さなければならない。一定以上留まれば……出口は二度と見つからない』
「そ、そんなぁ……!」
鳥の言葉に臆したのか、佑実子が由香の手を握る。
『行け……汝等なら成し遂げられるであろう……』
それだけ言うと、鳥は大きく羽ばたいて上へと飛び去っていく。
「ま、待ってっ!」
由香の声は周囲の空間に吸い込まれた。
「ど、どうしよう……」
焦燥感にかられる由香の手を佑実子がいきなり引っ張った。
「せ、先輩! 下を見てください!」
佑実子の切羽詰まった声に由香が恐る恐る足元を見下ろすと、果ての見えない迷宮が広がっていた。
「本当に迷宮になってますよ!」
「う、うん……」
自力では到底出口など探せそうにない。
由香たちは気が遠くなるような思いがした。
「どうします?」
「行く……しかないと……思うけど……」
そういう由香も最初の一歩が踏み出せない。
そんな折、2人の目の前を一匹の蝶が横切った。
見る角度によっては七色に姿を変える不思議な蝶から微かに鱗粉が残像のように零れ落ちている。
「佑実子ちゃん、行こう」
何故かはわらないが、由香にはその蝶の後を追えば出口に辿り着けるという確信があった。




