Method13:由香の明晰夢?3
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
校門へ向かいながら由香が口を開く。
「佑実子ちゃん、あの……私達だけがここにいるって……どう考えても……」
「せ、先輩、アレ!」
「……え?」
突然声を上げた佑実子が指差す方向を見ると、虹色に輝く鳥が道路の上空を飛んでいた。
「な、なにかな……? 鳥?」
「あんなカラフルな鳥は見たことないですよ! 絶対超絶怪しいですって! 後を追いましょうっ!」
「う、うんっ」
「はぁはぁはぁ……! ま、まってぇ佑実子ちゃ~んっ」
「はぁはぁはぁ……、鳥に言ってくださいよー!」
道路に2人で立ち止まり息を整える。
「先輩、なんだか人通りも車も通ってないと、走りやすいですよね!」
「そ、それはそうだけど……でも、やっぱりちょっと寂しいよ~。みんながいないと……」
「1日だけなら、こういうのもいいかなとは思っちゃうんだけどね~~~!」
ハキハキと危機感の薄い発言をする佑実子に、由香はため息をつく。
「あ、先輩! 鳥が図書館の中に入っていきましたよ!」
「ええ~~、なんでそんなところに~~~~!」
鳥を追いかけて図書館の入口まで行くと、そこで鳥が羽ばたいていた。
カラスほどの大きさで虹色に色を変化させている鳥に由香が近づく。
「あ……、鳥さん……あの……」
大きく羽ばたいて鳥は由香と佑実子を見下ろした。
『”時”に迷いし哀れな民よ……。迷宮に誘わん……』
鳥がそう言うと2人の体が明るく発光し、一瞬にしてその場から消えた。




