プロローグ
私にとって人生で初めての連作です。続けられるように頑張ります。
よっしゃあ!!!
僕は喜びの奇声をあげていた。どうしてかって?
なんたって、自由な三日間の始まりだからだ。
僕は、安房祐輔。関東にある高校に通い、部活は週三日の剣道部に入っている。
(週三日と聞けばゆるそうだが、それなりにきつい。)
今、期末試験最終日の最終教科が終わった。つまり、土日は休み、そして月曜日も家庭学習日となるのだ。
そして来年は高校三年生になることを鑑みると、極めて重要な三連休なのである。
この三連休を邪魔するものはない。宿題も部活も。
僕は電車の中で勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
ということで、計画を立てていきますよと。
「ううん...ううん...」
極めて重要な三連休だけあってなかなかいいアイデアが浮かばない。
電車で笑って唸っていたら変な人に見えるとやっと気づき、、とりあえず書き出してみることにした。
映画館に行く。買い物に行く。山登りに行く。テーマパークに行く。...
それらを深めて行って、
新作某怪獣か、恋ものか。服か文房具か。高尾山か御嶽山か。某ネズミの王国か某珍しいアトラクションのある遊園地か。...
なんか逆に頭が混乱してきた。
もういいや。明日のことは明日でいい。今日を最大限楽しもう。
なんかそれっぽい名言(迷言?)が思いついたのでメモしておく。
12時、家に着いた。
父も母も仕事で今はいない。戸棚にレシピを見つけたのでお菓子を作ることにした。てきとうに開いたら、チェッカークッキーのページだったので、それを作る。チェッカークッキーとは、チェックのクッキーである。調理だけでゆうに2時間を超える。
とりあえず色々材料を入れて混ぜていたところ、弟の狩介が帰ってきた。彼は中1だ。去年までとは違い、
その後、近くの映画館で20時から昔見た映画の続きが放映されるそうなので、それを見に行くことにした。
一人ではさみしいので同級生をLINEで誘ってみたが、金欠らしい。
仕方がないので父親を誘ってみたら即既読で
「行く」
との返事が来た。映画館の前で待ち合わせと返信し、それまで図書館で本を読むことにした。
さてなんの本を読もうか、ミステリーか恋愛か...
ちょうど近くに恋愛コーナーがあり、その1番上の棚に昔読んだ続きの本を読むことにした。
ハシゴを使ってほんをとって降りて床に降りようとしたところ床がなく、下が渦のようになっていた。
「あっ」
渦に吸い込まれていく。
気づいた時にはもう遅かった。落ちていく、そう感じた。
意識が遠のいていく。
ハッと気づいた時、僕は白い光に包まれていた。
天国にでもきたのだろうか?
だんだん目が眩しいのに慣れてきて、周りが見えてきた。そして自分も。
「気づいたか」
茶色のマントをまとい、茶色の帽子をかぶっている、鼻がとんがった男が言った。
「ここは天国なんですか?」
「いや、いうならば異世界だ。天国のように死者が行く場所ではないので。」
よくわからなくなってきた僕に
ではこの用紙に必要事項を書いてもらえますか、と男が尋ねる。
なんということか、僕は異世界語が理解できるらしい。読める、読める。いや、何か特殊な信号を受けている感じがする。なんかがっかり。
ええっと、
一つに名前
二つに出身のところについて詳しく
三つに送られる前についての経緯
か。
なんでしょうか、書けますね。渡した直後、
「それでは地球で最後の三日間を楽しみたまえ、ハッハッハ」
と男が笑い、目の前が真っ白になった。そして意識が遠のいていく。待ってくれ、と言わせる間もくれないのか。
ふっ、と目を覚ますと目の前は見慣れた図書館の風景。
さてさて、何をすればいいだろう?
とりあえず異世界に行く前から時間は経っていないらしい。
これから何をすればいいだろう?映画に行くべきだろうか行かないべきだろうか?
これでスペシャル「極めて重要な三日間」となったのは言うまでもないだろう。
この日の残りの半分をどう彼は使うのだろうか
0日目に続く...