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【コミカライズ企画進行中】ヤンデレ最強魔法使いと国外追放された悪役令嬢の幸せな新婚(監禁)生活〜元婚約者達は勝手に破滅したようですが、わたくしは知りませんから!〜  作者: やきいもほくほく
三章 崩壊するハッピーエンド

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そしてガルボルグ公爵は項垂れるライボルトの腕を掴み「期待してますぞ、ローリー殿下」と吐き捨てるように言うと、部屋から去っていった。


父の重たい溜息が聞こえた。



「民はマティルダに何かあったのかと心配している」


「え……?」


「あの男爵令嬢を追いかけ回していたお前なんかよりも、マティルダの方がずっと国民から慕われているということだ」


「そ、そんな……嘘だ」


「状況が見えたのなら、さっさとマティルダを連れ戻してこいッ!連れ戻せなければライボルトと同じ未来が待っていると思えっ!!!」


「は、はい!」


「二部のパーティーは中止だと伝えろ!」



父が執事に指示を出す。


(こんなはずじゃなかった……)


最高の誕生日になるはずが、一転して最悪な誕生日になってしまった。

ローリーは明るくなった部屋の中で、手のひらを握りしめていた。


まさか自分が追い出したマティルダを探さなければならないとは……。


(今すぐマティルダを探し出すしかない……!)


ローリーは騎士団を呼んで、すぐに捜索隊を出すように頼んだ。


(まだそう遠くには行っていないはずだ!絶対に間に合う)


すぐに数百人の捜索隊が出された。

丸一日の捜索の後、ローリーの元に届いた知らせは最悪なものだった。



「ガルボルグ邸の近くの森の中を捜索していたのですが崖の近くで、この靴が……」


「これは、まさか……!」


「ガルボルグ公爵に確認してみなければわかりませんが、恐らく……マティルダ様のものかと思われます」


「そんな……マティルダはもうっ」



崖に靴が落ちていて、マティルダはいないとなれば間違いなく……。


(マティルダは、もういないということか……!?)


ローリーの顔は青ざめていき、力なくソファに座り込んでいた。

両手で顔を覆う。これから自分がどうなってしまうのか考えるだけで恐ろしい。


そして騎士達に父への報告を頼んだ。

そこからローリーは地獄を味わうことになった。


ガルボルグ公爵はマティルダの現状を聞いて、怒り狂っていた。

あれだけ厳しく当たっていても、マティルダは可愛い存在だったのだろう。

そしてガルボルグ公爵家の協力が得られなくなったことで、城や町から明かりが消えた。

なんとか火で明かりをつけてはいたが、魔導具を使えなくなり不自由を強いられて、民達はもちろん反発した。


この状況を誰が引き起こしたのか……。

大々的にマティルダに国外追放のパフォーマンスを行ったローリー達は批判の的となった。


そして高位貴族達が王家に不満を示していた。

それはマティルダを慕っていた令嬢達や令息達の仕業だった。

彼らは王家への協力を拒み、更に王家へ批判は高まっていく。

あの日からシエナにもライボルトにも会っていない。


学園に行けば自分がどんな目で見られるか、考えなくてもわかるような気がした。

そんなローリーの代わりにシエナの発言が事実だったのか、学園で調査が入ることになった。

ローリーはソワソワした気持ちでその結果を待っていたのだ。


(シエナは間違っていない……!今はシエナだけが俺の心の支えなのだ)


しかしそんな期待もあっさりと裏切られることになる。

父が持ってきた書類には、マティルダがシエナに何かしているのを見た人物もいないそうだ。



「これでもまだシエナが正しいと言えるのか?」


「……っ」


「シエナ・レデュラを今すぐ連れて来い」



頭を鈍器で殴られたような気分だった。

それだけシエナに裏切られたことが信じられなかった。


しかし城に呼ばれたシエナは頑なに「マティルダ様にやられました」という態度を崩さなかった。


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