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【コミカライズ企画進行中】ヤンデレ最強魔法使いと国外追放された悪役令嬢の幸せな新婚(監禁)生活〜元婚約者達は勝手に破滅したようですが、わたくしは知りませんから!〜  作者: やきいもほくほく
一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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のんびりと学園生活を過ごしていた自分をビンタしたいところではあるが、マティルダはヒロインと関わってもいないし、やってもいないことで責められる理由がないと思っていた。



「まずシエナのことだ」


「はい。シエナ様がなにか?」


「同じクラスであり、唯一の光魔法の使い手であるシエナ・レデュラを虐げたそうだな」


「あの……ローリー殿下、ひとつお伺いしても?」


「その行為、未来の国母として許されるものではないぞ?」


「ローリー殿下、わたくしは……っ!」


「シエナはこの国で唯一の光魔法が使える貴重な人間だ。それを妬んだお前は俺に対する嫉妬から……」


「ひとつ宜しいでしょうか。わたくし、ローリー殿下の交友関係に嫉妬したことはありませ……」


「嫉妬からシエナを隠れて虐げていたと報告を受けている」


「むしろシエナ様とは、本日初めましてなのですが」


「それに加えて周囲の令嬢達を使い、シエナを邪険にしていたそうじゃないか!」


「………………」



次々とローリーから語られる全く身に覚えのない罪にマティルダは空いた口が塞がらなかった。

まさかこんなにもマティルダの意見を無視するような形で押し進められていくとは思わずに頬がピクピクと痙攣するように動いていた。


(どういうこと……!?流石に無理がないかしら?)


後ろから仲のいい令嬢達のくぐもった声が響いていたが、マティルダは視線を送りつつ首を横に振った。

それに周囲もマティルダの人柄を知っているからか、ローリーの言葉に首を捻っている。


マティルダは学園でシエナと話したことがないどころか関わったことがない。

あまりにも強引すぎる展開だ。

もしシエナがローリーにそう言ったのだとしたら何故ここまで堂々と嘘をつけるのかが不思議だった。


昼の部には学園の生徒達しかおらずローリーに逆らえるものはこの場にはいない。

国王やガルボルグ公爵がいればまだ、マティルダを庇ってくれるかもしれないが今はその姿はない。

まるでそれすらもローリー達に仕組まれているように思えた。


(わたくしが学園をのんびり過ごして、城に蓄電しに行っている時に一体何が……)


断罪内容は概ねあっているような気はするが、今は卒業パーティーでもなく、マティルダは全く関わっていない。

乙女ゲーム通りに進んでいるようで、なんだか内容が大きくズレているような気がしていた。


それにいつも無表情なローリーはこの時ばかりは感情を露わにしている。

シエナを愛おしそうに見つめていたり、マティルダを見て怒っていたりと忙しそうだ。


とりあえず仲のいい令嬢達は巻き込まれて欲しくないと、ローリーの無視に負けず「訂正して下さい。わたくしの友人達は無関係です」と言うと、今度はしっかりと聞こえたようで「全てお前ひとりの犯行とは……!なんて悪どいんだ」と言われてしまい目を剥いた。

このままでは埒があかないと、違った角度から問いかける。



「わたくしがやったという証拠はあるのでしょうか?」


「証拠などシエナの証言と数人の目撃情報で十分だ」


「いささか強引では?」


「全くこの気に及んでペラペラと……往生際の悪いやつだ」



マティルダに生まれ変わる前から恋愛にはからっきしでも、仕事に関しての反論は言い返し慣れているし、負ける気はしない。

マティルダが笑みを浮かべながら首を傾げると、ローリーは悔しそうに「くっ…」と、唇を噛んで悔しそうにしている。

しかしそんな時、薄紫色のドレスがふわりと揺れた。

ローリーを援護するようにシエナの声が会場に響き渡る。



「ローリー殿下、わたしが我慢すれば済む話ですから、マティルダ様を責めないでください……!」


「だがシエナは十分耐えたではないか!」


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