4.旅立ちの準備します!
アリスさんが出て行ってしまったがお父様が話があるとのことで呼び止められてしまった。
「すまんね呼び止めてしまって」
「いえどうかしましたか?」
「アリスのことだ」
そこからお父様からアリスさんの過去を聞いた。
アリスさんのお母様は病弱で小さいころに亡くなってしまったらしい。
アリスさんは子供の頃から家事や家の手伝いをして自分の時間などほとんど取れなかったそうだ。
自分がしっかりしなければお母さんの代わりに頑張らなくてはという気持ちが強く自分の気持ちを殺してここまで成長してしまったと。
「あんなに楽しそうに君の話をするアリスを見て驚きもしたがとても嬉しかったんだ」
だからアリスさんは私が徹夜とかすると怒っていたのか。
体調に関してもいつも気にしていた。
「君に頼みがあるんだ」
「アリスを連れて王都へ行ってはくれないだろうか?」
「えっ? でも牧場はどうするんですか?」
突然の言葉に驚きを隠せない。
「大丈夫だ。若いものも王都から雇ってきたしアリスに力仕事ばかりさせられないからね」
「あの子にはもっと広い世界を見て自分の生きたいように生きてほしいんだよ」
「この機会を逃す手はないんだよ頼めるか?」
「個人的にはお受けしたいんですけどアリスさん自身の気持ちもありますから」
いや私だってそりゃそうしたいよでもそんな突然言ってもさすがにねぇ。
「大丈夫だアリスはまだ彼氏もいたことないぞ」
どういう意味だよ!?情報ありがとうございます。
「まぁとりあえず探しに行ってきてくれるか?」
「わかりました」
うーんどこだろうと探していると私の部屋にアリスさんはいた。
「探しましたよ」
「コガネさん……」
「大丈夫ですか? 私が言うのもなんですけど」
「いえ お父さん何か言ってました?」
なんかいろいろ言ってたけどさすがに言えないな。
「言い過ぎたと心配していましたよ」
「そうですか」
「気にしないでくださいね」
「こちらこそいろいろとすみません」
「今日は泊まらせてもらって明日王都に出発しようと思ってます」
「寂しくなります」
アリスさんが少し顔を伏せてしまった。
「ここの村でで出会えたのがアリスさんでよかったと思っています」
「ありがとうございます。 欲を言えばもっと一緒にいたかったです」
少し恥ずかしいけど本心。
せっかくの異世界初の縁だこういったものは大事にしたい。
「……ずるいですそんな言葉」
「私も……いえコガネさんは無理しすぎるので身体には十分気をつけてください」
「またこの村に来たら会いに来てくださいね」
そう言い残しアリスさんは走って家に戻ってしまった。
ふぅ明日の準備をしないとな。
そういえば作業服を借りたままだから返さないといけない。
……明日スーツで旅立つのか就活生かな?
明日から長旅になりそうだしゆっくり休んでおこう。
ここから無職の就活生の明日はどうなる!!!
お読みいただきありがとうございました。
今日の投稿はここまでとなりますまた細々と書いていきますのでよろしくお願いします!
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