1.村探して就活します!
「はぁそんな都合よくいかないよな」
「とりあえずどこかもわからないしどこか人のいるところを探そう」
ほんとに異世界に来たのかも怪しいので、とりあえず人に会ってみて考えるしかなさそうだ。
異世界でありがちな魔物とか出たら逃げるしかない。
森をしばらく歩いていると見たことない木や見たことない植物がいっぱいで異世界来たなって感じを実感してきた。
魔物はとりあえずいない、いや見なかったことにした。
しばらく歩くと家が建っているのが見えてきた。
規模としては村といった程度で見たことのない牛?が買われているので農村ではないだろうか。
「日本語って通じるのか? 英語とかできないから確実に積むんだけど」
異世界において重要なこととして言語と文字と文化や通貨の違いというのが一番の課題といえるところだろう。
考えていると一人の女性が家から出てきた。
見た感じあまり自分と変わらないが色白で耳はとんがってなさそう。
「なんとかなるだろ頑張れ私」
コミュ障ということはなく人並み程度には話せるので意を決して近づく。
「すみません」
「はい? なんでしょうか?」
通じた! 日本語いけるじゃん!
しかもめっちゃきれいな人と心の中で喜ぶ。
「えっとここはどこなのでしょうか? 森で迷ってしまいまして」
「ここはコボルト村です。 どちらからいらしたんですか?」
「日本から来ました」
「日本? そんなところあったかしら」
ですよねー。
やはり日本なんてものは無いらしいが日本語は通じるのでよしとする。
「東のほうにある小さな島国なので知らなくても当然だと思います」
「そうなんですね」
「どちらまで行くつもりだったんでしょうか?」
「旅をしておりまして、どこか住み込みで働ける所は無いかと探しているんです」
うん。間違ってないよな。
とりあえずお金が無ければ生活もできないし、まずは地盤となる場所を見つけて情報集めしないと。
「冒険者だったのですね! 失礼ですがどういった仕事をお探しでしょうか?」
「父が王都に行ってまして、その間農作業を手伝ってくれる人を探しているんです」
「ほんとですか? 農作業は初めてですがなんでもやりますので、お願いしたいです」
「ありがとうございます」
「では……えっとお名前お聞きしても良いですか?」
あちゃー名前名乗ってなかったね。
苗字という概念があるかもわからないし下の名前いいか。
「コガネと言いますのでこれからよろしくお願いします」
「肉体労働、雑用から計算処理までなんでもやります」
戦闘とか、用心棒とかは出来ないから流石に言えないな。
「えっコガネさんは計算ができるのですか? もしかしてどこかの学者さんでしょうか凄いです!」
なんか計算できるのがすごいらしい。
ということはこの世界の教育はそこまでなのかな?
……そういえば文字が読めること前提だけど数字なら大丈夫だろう。
しばらく考え込んでいると
「すみません。私はアリスと申します。こちらこそよろしくお願いしますね」
うん可愛いアリスとか名前も可愛いこんな職場に就けるなんて異世界最高!
「こちらこそよろしくお願いしますアリスさん」
まずは何をするんだろうか?
異世界に来てからというもの歩いていただけだから、何かをしたくてたまらない。
俺の異世界生活はここから始まるんだ!
お読みいただきありがとうございました!
社畜は異世界でも就活をします。
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