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第2話 願望肌色ディストピア

◾︎


 一


これは汚れた心の所有者たちに欺き与へんとするものである。


これは正しいものの種子を有しないが故にその美しい発芽を待つ必要がない。


汚されたかつての純真な心意の所有者たちにさらに欺き偽る。


そうすることで儚い休息を与へんとするものである。


◾︎


 二


これは滑稽にでっち上げられた煤色のユートピアである。


これらは誰にも新しいよりよい世界の構成材料を提供しようとはしない。


既知を絶えざる繰り返しを見せる世界へのせめてもの抵抗だ。


復讐として行われる再解釈を妄想を助けるものである。


◾︎


 三


これらは偽であり仮空であり古ぼけた図書館にある。


古ぼけた図書館のもっと奥の細い道にある古ぼけた書架。


そこから盗んだ文章からの雑なコラージュである。


半世紀以上前に世を去った作家達への届くはずもない鎮魂歌である。


多少の内省と分折はある。


しかしたしかにこの通り何かを真似をして自分だけ楽をしようとしている。


その時々の借り物を嬲って現われたものである。


故にそれはこれは馬鹿げており安易である。


心の深部に届かないので安心して読むことができる。


万人の共通した想いに使うことができる。


すなわち暇つぶしや現実逃避の道具として使うことができる。


力を持ちながら使おうとしない卑怯な成人たちよ。


これは我々に理解しやすいように書かれたものである。


ゆえに連載をしたての漫画がよくするような手法も平気で使う。


書かれているのはときどきエロい話かもしれない。


◾︎


ドグラマグラ太郎の特色をさらに一点に帰そうとするか。


ならば古風な童話である。


古風な童話は時として残酷な警告を孕み隠す。


ドグラマグラ太郎は形式と地方色とを以て類集した。


古ぼけた埃まみれの煤けた童話のユートピアである。


ドグラマグラ太郎は子供の時によく読んだ童話の成れの果てである。


ドグラマグラ太郎は子供の時の本棚の愛読書達の成れの果てである。


ドグラマグラ太郎は安心と暖かさがあった部屋の成れの果てである。


ドグラマグラ太郎は子供が大事にそだてた果実の成れの果てである。


ドグラマグラ太郎はおちんちんである。


ドグラマグラ太郎はおちんちんである。


ドグラマグラ太郎はおちんちんである。


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