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バレて…… 6

「なんて送ったの?」


 そう言って明日美は僕の近寄ると、左側かスマホの画面を覗き込んできた。

 だから、僕は少しだけ見やすいように画面を傾け、送った内容を見せる。


『よく考えたけど、やっぱりこれ以上見に行くのは止めるね。居なくなった前日に僕のことをディスってた放送見てたんだ。なちゅさんは覚えてないかもだけど。今までありがとう。心配もしてくれてありがとう。さようなら』


 思わず長文になってしまったが、最後ぐらい長文でも良いと思う。つまらなかった日々を楽しませてくれ、それでいて癒しをくれた人だから。

 明日美を見ると、少しだけ複雑そうな表情をしていた。

 自分が制限をかけてしまったことに対して、罪悪感を抱いてるようだった。


「本当にそれでいいの?」

「何を今さら。それでさっき泣きながら怒ってたのに」

「それはそうだけど……。私はそのなちゅさんって人のことほとんど知らなかったから」

「そんなものでしょ。元カノ……ではないけど、過去の人の話をされるほど、嫌なことはないと思うし。ともかくこれでさよならだから安心して良いよ」

「でも、返事が来るんじゃないの?」

「ん、大丈夫。来ないようにするから」


 そう言って、僕はスマホを操作しようとした矢先のことだった。

 なちゅさんからの書き込みを知らせる表示だDM内に現れたのは。


「あ……!」


 明日美もそれに気付いたらしく、反応を示す。

 しかし、僕はそれを気にせずにDMを閉じると、相手のプロフィール画面へと飛び、そのままブロックした。

 これでツイートもDMも見ることは出来ない。

 出来るとしたら、なちゅさんのリスナーからの監視されて、僕の現状を知ることぐらいだろう。知ったところで僕が関わり合いを持とうとしない時点で意味をなさないため、本当の意味での終わりを迎えることは間違いない。


 その行動を見ていた明日美は、やっぱり複雑そう表情のまま、僕に身体を寄せてきた。

 罪悪感に心を痛めているということは十分に伝わってきたため、僕はそのまま左手で明日美の髪を撫でて、その気持ちを宥める。

 ただ、右手ではやはりスマホを操作し、再びDMの一覧へと行き、そこからなちゅさんのDMを削除を迷うことなく削除した。


「これでよし、と……」


 やれるべきことはやり終えた僕は小さく息を吐く。


「そこまでしなくてもいいんじゃない? 私はそこまでしろなんて言ってないよ?」


 ここまでするとは思っていなかったらしく、明日美は不安そうに僕を見てきていた。同時に、軽くだが服を掴んでる。

 思った以上に不安にさせてしまったらしい。

 けれど、僕は首を横に振る。


「いいんだって。一応はあの時に区切りはつけてたんだしさ。結局、なちゅさんから連絡が来て、こんな風にグダグダになったようなもんだし。だから、いいんだよ。本当の意味で決着はつけないと」

「透がそう言うならいいんだけど……」

「ともかく今日バレて良かったって思うよ。このままズルズルと言ってたら、どうなってたか分からないし」

「それは私と別れてたかもしれないってこと?」

「可能性的にはあるかもね」

「なちゅさんの方が好きで?」

「それは違う。どっちかっていうと罪悪感の方で」

「そっか。でも、私は認めないけどね。どんな方法を使っても別れさせずに、罪滅ぼしさせるもん」


 別れた場合の理由がまだマシだったのか、明日美は少しだけ安心したかのようにそう宣言してきた。

 きっとその通りになるんだろうなぁ……。

 宣言した通りになる未来が十分に考えられるため、僕は少しだけ苦笑いをしてしまう。

 そこで明日美は何か気付いたらしく、ハッとした表情になる。


「言っとくけど、こうやって私を誤魔化そうとしてもダメだからね?」

「誤魔化す?」

「とぼけてもダメだから。お願いは二つ聞いてもらうからね?」


 そこまで言われて、僕もようやくそこに気が付く。

 ただ、純粋に自分が思った通りの行動をしただけのため、うまくいけばそれを交渉する余地があったことを。

 きっと、「しまった」という表情が顔に出ていたのだろう、


「本当に純粋な気持ちでブロックとかしたの?」


 逆に明日美が驚いた反応を示す。

 僕はあっさりと頷いて見せる。


「なにそれ……。もう少し頭使えばよかったのに」

「さすがにこの状況で、お願いを減らしてもらうほどの流れは考えないでしょ。ともかく僕はこれで気持ち的にはすっきりしたからいいよ」

「そっか……。あとは私のお願いを叶えたら、全て解決ってところ?」

「そうなるね。本当にどんなお願いをされるのか分からないから不安しかないけど……やっぱり教えてくれないの?」

「うん、秘密だよ」

「だよねー」


 そう、明日美が何をお願いしてくるのか分からない以上、そこの部分は不安でしかない。

 とうの本人である明日美は嬉しそうに笑っているため、さらに不安を煽ってきていた。

 でも、こうやって笑顔を取り戻せたことには不満はないので、ここはその時が来た時に覚悟するしかないのだ。

 僕はそう思って、無理矢理割り切ることにした。

 悩んだところで、今解決しないのだから……。

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