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親友との真面目な話 1

 冬休みが終わる三日前。

 僕は久しぶりに竜也と僕の家で遊ぶことになった。

 連絡は明日美同様、いきなり「今日、暇だから遊ぼうぜ」というLINEが来たのだ。

 なんで、こんなにもこの二人はいきなりなんだろう。

 思わず、そう言いたくなってしまったが、僕自身もこうやって予定がない限りは暇であることは事実のため、その誘いを了承せざるを得なかった。


 こういう流れで僕と竜也はマリオカートをしている。

 状況的には最終レースで、トータル順位が僕が一位で竜也が三位と言った状態。

 お互いに何かあれば、すぐに順位が落とされるほどのいい勝負。最悪な流れはNPCが出すアイテムの妨害結果次第だ。

 僕のゴールが近くになったタイミングで、


「なぁなぁ、いきなりなんだけどさ、聞きたいことあるんだけど?」


 竜也がそんなことを言ってきた。


「え、なに? あと少し待って!」


 一位を取りたい僕は竜也の言葉が、まるで僕が一位になることを邪魔するような物言いだったため、一旦拒否することにする。


「それは無理だな。だって一位取らせたくないじゃん」

「おい! 本音漏れてるぞって!」

「『漏れてる』んじゃなくて、本音を……嘘だろッ⁉︎」

「ちょ! ちょっと⁉︎」


 僕と竜也は焦らざるを得なくなってしまう。

 そんなことを話してるタイミングで、カミナリが落とされたからだ。

 僕はカミナリの影響でばら撒かれたコインを無視し、急いで操作し、無理矢理にもゴールして見せる。偶然にもゴール近くだったことが幸いであり、二位であるNPCも投げていたアイテムもゴールしてから当たったため、何の問題もなかった。


 しかし、竜也の方は災難だった。

 テレビ画面を二分割してるため、竜也の行動も見えるのだが、カミナリが当たってスピンし、走り出すまでは同じ光景だった。

 違ったのはそこからだ。

 走り出した直後、赤い甲羅が飛んできて、ヒットし、再びスピン。立ち直り、走り始めた直後に四位にいたであろう重量級であるクッパに体当たりされて、また弾き飛ばされる。

 その結果、戦意消失した竜也の走りはボロボロで、五位でゴールという悲惨な状態になってしまった。


「運が悪いにもほどがあるんじゃない?」


 思わず、僕はそんなことを漏らしてしまう。


「こんなことって普通ありゅ?」


 竜也もここまで不運続き連発の状況があると想像していなかったのだろう。なぜか語尾がおかしくなるレベルで燃え尽きた様子だった。


「よっぽどの運の悪さがないと無理じゃないかな?」

「だよなー。どんだけ運が悪いんだよ。なんでこうなっちまうんだよ」

「さあ? 日頃の行いが悪いんじゃない?」

「日頃の行い……ねー……。そんな悪いか?」

「僕と一緒にいる時は普通だと思うけど? またネット関連で何かした?」


 不意に思い出す明日美との件。

 現状、あの件も僕はどうなっているのか分からない。

 あの時、家に帰ってからの雰囲気では解決してるぽく、二人の口からその件について何も聞かされていない。聞いてしまえば、竜也の傷も抉ることになってしまい、結局聞かずじまいになってしまっている。


「してねーよ。大人しく視聴だけしてるよ」


 僕の言い方が少し気に入らなかったらしく、ちょっとだけムクれた口調になる竜也。

 そんなつもりがなかった僕は「ごめんごめん」と慌てて謝罪の台詞を口にする。


「コメントやリプでは暴れてるように見えるけどね」

「それぐらいは許せっての。ネットぐらい楽しませろよ」

「それは同意。っていうか、さっきの質問ってなに?」

「あー、それな……。いや、むしろ聞いていいのか?」


 僕を一位にさせたくなくて、必死だった竜也の口から思わず出た発言だったらしく、いきなり自問自答し始める。

 その様子に僕は呆れることしか出来ない。

 どんだけ一位にさせたくなかったんだよ。

 そんなことを思いながら、僕はコントローラーを操作しながら、最終レースの結果発表から移行した表彰画面を進ませ、そのままスタート画面まで持っていく。


「答えられることだったら答えるけど? っていうか、その言い方だと僕が答えられないような質問っぽけど大丈夫?」


 雰囲気的にはそんな感じがしたため、あらかじめ期待しない方がいい言い方をしておく。きっと、そっちの方がお互いダメージが少ないと思うからだ。

 その間に僕はレース中に来たスマホから鳴った通知を確認しておくことにした。

 通知の主は明日美からだった。

 内容は予想通りの『明日、配信したいんだけど大丈夫?』という内容のもの。

 現状、予定がない僕はそれについて了承のメッセージとスタンプを送っておく。


「明日美が明日、配信したいだって。竜也はどうする?」


 そして、前回約束した通りの内容を竜也へと伝える。


「別に俺は暇だからいいんだけどさ……うーん……」


 腕を組み、目を閉じ、なぜか真剣に悩み始める竜也。

 一体、どうしたの?

 さきほどから竜也が僕に伝えたいことが、さっぱり理解出来ない僕はどういう反応を取ったらいいのか分からず、困ってしまう。


「好きにしたら? 別に明日美と竜也がケンカしてるわけじゃないんでしょ?」


 だからこそ、こんなぶっきらぼうな言い方に必然的になってしまう。


「俺と明日美じゃないくて、『透が大丈夫か?』って言いたいんだけど?」

「は? どういうこと?」

「そのまんまの意味だけど?」


 何に対しての大丈夫で、何に対して気遣っているのか僕には全く分からない。

 ……違う。

 なんとなく竜也が僕に言いたいことがなんなのか、僕は分かっている。分かっているからこそ、とぼけることしか出来ない。それを悟られたくないからだ。

 そこで竜也も拉致があかないと思ったらしく、


「透って、明日美のこと好きじゃん。友達としてじゃなくて、恋愛の方として。だからこそ、俺は聞いてるんだよ。『俺が居ても大丈夫なのか?』ってさ」


 ど直球の質問がやってきた。


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