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あの日見た主人公の名前を僕達はまだ知らない(仮)
狼を退治した俺は今、森の中を彷徨っていた。
「それにしても随分と広い森だな…」
これなら狼が出てきたとしても頷けるくらいだ、
...そう
...狼...?
「って、ぇええええええええええええええ!?」
何で?狼?
日本にはいないはずじゃあなかったっけ?
実はこっそり生きてたとか?
いや、そもそもここは日本なのか?
寝てるうちに強盗?誘拐?されて遠い国に連れてかれて、そのまま捨て置かれたとか?
...冗談じゃ無さすぎる、
こんな血肉に飢えた動物共のいる森に、こんなか弱きパンピー男子高校生置き去りにされたら間違いなく食物連鎖の餌食だ。
骨も残らない、
証拠隠滅だ、完全犯罪だ、なかなかやりおる。
ごちゃごちゃ考えながらも俺は進む。
日はもう既に傾いて来ている。
夜になったら獣たちの動きは活発になる、しかも暗くなったら俺は何も見えなくなる。
正直焦る。
ストレスも溜まる。叫びたい。
「うあああああああああああああああああ!!!!
なんだってんだコノヤロー!!!俺をいじめて楽しいかよおおおぉぉぉ!!!!」
...叫んだ
もう俺は半泣きだ、
誰か助けて...