第7話:赤い奴速くて旨くてそして…。
TKG…まさに簡単レシピ。
昼休み…隼人は数人の女性と昼食を楽しく食べていると後ろから零士が語りかけてきた。
「よっ、飯んところ、悪りぃな。何でアイツが?」
零士の疑問も確かに言いたくなる。
クラスだけでは無く別のクラスからも男子が嫉妬と妬みの視線を向けられた透だが…
本人は呑気にシャルロットに貰ったお弁当?を美味しく食べておりシャルロットは蘭々とした表情で隣にいる透に話していた。
「is the taste good? Thor.」
(味は美味しい?トール。)
『モグモグっ、グッドぉですぅ~ムシャ。』
隼人は零士に語りかけた。
「転入先がここだけの話。気にするな。それより帰ったら透の家だからな。」
「カッカッカッ!わぁーてるよ。それよりもよぉ。掲示板見たか?」
「ああ。一応チェックしたがそれほど進んでなかったな。」
2人が言う掲示板とはネットにユニテ攻略掲示板の事で目新しい情報は無く半分はウェブオーシャンの急なアップデートの愚痴などであった。
下校時間
隼人は授業中に書いた英語の紙端を透に渡しシャルロットの方に向かった。零士は髪を整えてからそれを見て笑いながら聞いた。
「カッカッカッ!さぁすがはモテ男、気配り上手で。」
「フッ、違うよ。それに零士、気づいてるだろ?透の奴まだ鈍感だがシャルロットは…恋だな。」
「そうかそうか~。以外と2人、くっついちまうかもなぁ。」
「透が?マジか?」
「気づいてぇねぇのか?透が隼人の物を渡しに行くと思うかぁ?初めてじゃねぇかよ。」
確かに透は普通に渡しに行った。普段は断る所を。
「透が恋か…ははははっ、見てみたいな。それ。」
2人はシャルロットからこっちに逃げる透に笑ったのではなく別の話題に笑っていた。
透の部屋に隼人と零士は集まり準備をした。
3人はヘッドギアの横のメモリ(1~4まで)を3にセットした。
このメモリは異世界の日数、地球の体感時間とわかった。
『今日はぁ~オリジンさんにぃ。良いとこ見せちゃうぞぉ。』
「ああ。オリジンさんの知識はすごいよ。マジでな。」
「確かによぉ。義理堅そうなぁ一面、優しさがある。漢だなぁ。」
零士が人を誉めるのは珍しいく2人は零士の顔を見た。どこかウキウキしていた。ヘッドギアを被りリンクボタンを押した。
オリジンは考えていた。
(ワシはこのワールドグリモワールになり知識もあり制限があるが魔法も使える…しかし本じゃ。
しかもなにをしてもびくともしない例えドラゴンのブレスを浴びても巨人の剣を受けても無傷…
唯一傷を付けれるなら神話の神獣、魔神のみ。それすらワシが人間じゃた頃に倒したり、封印した。
その数々の素材で作られた本。
よもやワシは寿命が見えない生きた地獄にいるのか?
…いや、これは自分が招いた事。根本のワシはこの世界が好きな筈だ。それを全うして満足もした。
それでもポラリス様がワシをこの世界にまた戻してくれた!
もう一度ワシに褒美をくださったこの命、この世界に…
ワシのすべき事は若く才能に恵まれた仲間思いな子供達。
磨けば赤にも青にも黄にも光り輝く原石のような濁りなき純粋極光石
もし願うなら弟子にして磨き輝かせて観たい。……ハイボイスベアはあの子達を試す壁。もし超えたのであればワシは…)
4つの白い光りが現れた。トール、ファルト、レイザー、シャルロットの姿があった。
早速オリジンは調和を唱えシャルロットにかけた。
『ホッホッホッ。待ちくたびれたぞい。』
「どうも。学生ですから遅れますよ。」
「カッカッカッ!早ぇところ森に行きてぇな。」
「トール♪私も剣には自信ありましてよ。」
『僕もぉ~オリジンさんにぃ。見せちゃうもんねぇ~』
オリジンもどこか機嫌良い自分がいた。
ちなみにシャルロットは職業はソードマン(ウーマン)、サブが耐久研磨師であった。
教会に行き冒険の祈り(その後、トールは手持ち全額寄付。)し森の近くまで向かった。
森の入口付近に着くと近くで白い7、8匹の塊を見つけた。
『ホッホッホッ。あれはチキチキの群れじゃの。もしかするとボスがおるかものぉ。』
「ボスってこたぁ~アイツがいるのかぁ!赤いチキチキ!」
『知っておるのか?チキチキレッド。かなり速いからのぉ。』
レイザーがチキチキの群れに突っ込みチキチキを撃破していく時、空から爪を振り攻撃する赤いチキチキの姿が現れた。
レイザーはバックステップをして回避した。
「カッカッカッ!やる気あるなぁコイツは!」
レイザーは素早くストレートを放つがパッと消えたように避けられた。さらにキックも空を切った。
「ちっ、当たんねぇな!チクショウが!」
白いチキチキを片付けたファルトも参戦するがチキチキレッドは切るも殴るも避ける避ける。
白いチキチキの3倍速く感じる。
「マジかよ。瞬間的に移動してるな。」
良く観察していたトールが2人に指示を出した。
『ファルトは…そこからぁ~踏み込んでぇ右に。レイザーは…左下に一撃。』
トールの指示を聞き、踏み込みながら右に剣を放つと見事にヒット。切られて転がった先にレイザーが左下にいたチキチキレッドに一撃で倒した。
「フッ、さすがはトール。健在だな。」
「まさぁに予言のようなぁ類いだがな。」
2人はトールの指示が何か知ってる素振りを見せオリジンも思い当たる考えを出した。
(あの的確な指示…もしやトール君は。)
当のトールはシャルロットに頭を撫でられニコニコしていた。
「オリジンさんよぉ。コイツ焼き串にしたら旨いってぇ聞いたんだが。」
レイザーがチキチキレッドを倒してアイテムボックスにドロップしたのを確認するとオリジンが頷いた。
『旨いぞい。歯応えも。ただ残念なのが世界では不人気でのぉ。肉の値段は白色に負けとる。』
何と!チキチキレッドは美味しいのに売ると損する何とも可哀想なモンスターであった。
いよいよ森の中に。各必要な素材を集め、ついにハイボイスベアと激突!4人が力、技、連携が冴え渡る。トールのネットでの二つ名にシャルロットがメロメロ?
次回もよろしくです。