第4話:喋る図鑑に謎の猫人族の女。
久し振りに牛丼特盛汁だく食べました。
武器を整えいざモンスターがいる外へと、向かったが3人腹の虫が鳴いていた。
「…飯ぃ食わなきゃダメそうだな。」
「だな。さすがはリアルを追及したゲームだよ。」
『う~、お腹空いたぁ~。んっクンクン!あっちの露店に美味しそう臭いがぁ~。』
2人を尻目にトールは臭いの元に一目散に走って行った。
「ちょ、待てトール!はぁ行くか。」
「アイツ昔っから食い気だきゃ凄まじいからなぁ。」
2人はトールの向かった露店に歩いて行った。
2人が着いた時にはトールは焼き鳥のような物を口にほうばっていた。
『んぐっモグモグ、うま、うまぁ~い。』
口一杯に物を詰める姿は〇学生である。
『へい、らっしゃい!さっき草原で取ってきた「チキチキ」の焼き串だよ。一本3銅貨だ。』
「おじさん。それ3本下さい。後「チキチキ」ってモンスター?」
食べ物を頼みつつ情報も探るファルト。
『この近くいる鳥型のモンスターで以外と素早いよ。
中には赤いチキチキもいるがなかなか見つからなくて普通のチキチキの倍早いって俺の業者が言ってたっけな。
もちろん旨さはこの焼いてる奴より旨いよ。』
「モグモグっ。親父さんよぉ。もし俺たちがぁその赤い奴取って来たら焼き串に頼めるか?」
レイザーが焼き串(いつの間に?)をワイルドに食べながら聞いた。
『はっはっは!威勢がいいな。うちでもなかなか出せない一品だから取って来たら旨い焼き串食わしてやるよ。』
露店の親父さんは笑いながら言うとさらに喋った。
『ついでに近くにある教会で祈ってから行きな。赤い奴に会うのは大概教会で祈った奴らしいからよ。』
いい情報を聞いたと思い食べ終わると3人は教会に向かった。
建物は木で作られており例えると「森の小さな教会」と言った所。
シスターに挨拶をして教会に入るや否や木の床下がギシギシと軋む音が聞こえた。
シスターは申し訳なさそうに答えた。
『床下の老朽化が進みまして。気よつけてお進みください。』
静かに椅子に座り3人は祈りを捧げた。
するとトールからポーンとアナウンスが鳴った。
new skill get!
トールはステータスを見ると技の欄に書かれていた。
【ハートエイド】 MP10消費 一人に対して100回復する。
『回復魔ぁ法~ゲットぉ~。』
教会で静かにしていない罰が当たったのか、見事にはしゃいだトールがいた床下が折れてトールは落ちていった。
「カッカッカッ!なぁにやってんだよ。」
「笑ってる場合か。トール、大丈夫か?」
2人はトールの片手を取り引っ張り挙げた。するとトールのもうひとつの片手にはやや分厚めな図鑑?本が抱き抱えていた。
3人はシスターに謝り急いで教会を後にした。
「ふ~さすがに教会の人は悪い事したな。冒険した後、寄付しによるか。トールが。」
「カッカッカッ!だなぁ。トール。人して筋は通さなきゃだぜぇ…ところでその本はなんだ?」
『落ちたらねぇ。なんか本掴んでぇたんだぁ。』
聖書とは似て非なる大きさだが表面と裏面は白銀色の獣毛、縁には爬虫類らしき(蛇革?)で縫われており、表面だけにあるネームプレートには金色で本の名前が書かれていた。
『名前はねぇ、ワールドグリモワールて
書いてあるよぉ~。んっわぁ~」
本が突然光りを放ち始めた。さらに表紙に両目が現れた。
『…ぅ、魔力が…ここは、ユニバーステイルか?確か…ポラリス様の転生に失敗して…突然ゲートに吸い込まれて、はっ、やはり本のままにここに来てしまったのか…。んっ人の気配?』
光り輝いたと思いきや突然本が喋り始めたため。3人はその場に立ち尽くしていた。
「……おいおい本が勝手によぉ、喋ってやがる。」
「マジかよ。この世界は本が喋るのか?あり得ない。」
『さすがにぃ~ビックリだねぇ。』
オリジンは3人に向かって話してきた。
『むぉほん!そこの方。ワシの中に魔力が流れておるのはこの本の名前を言ったからじゃ。言ったのは誰じゃ?』
恐る恐るトールが手を挙げた。
『あのぉ…僕です。』
『フム、アナライズ……16歳か、プレイヤー?ホウホウホウ!珍しい。幸運の鼠が付いてるのか。』
オリジンは三人のステータスを調べ終わると語りかけた。
『トール君にファルト君、レイザー君。一つ聞こう。』
オリジンの言葉をレイザーが遮った。
「その前にぃ!あんたは何だ?なぜ喋れんだ?」
ズバッとトールやファルトが聞きたい事を言った。
『こりゃ失敬。ワシはオリジン。訳あってこのユニバーステイルの全てを記した世界名鑑知識魔導書にて転生した元住人じゃ。』
ここでファルトが喋った。
「ではオリジンさん。一つ疑問。なぜトールの年齢や称号がお分かりに?」
『それはワシが3人に上位識別魔法【アナライズ】で見たからの。それでは1つ。プレイヤーとの事はもしや地球人なのか?』
オリジンが眼を輝かせながら聞いた。
三人は顔を合わせながら正直に話した。
『そうだよぉ。僕たちねぇユニバースぅテイルオンラインってゲームぅからねぇ、こっちに来たんだぁ~。』
ユルユルな会話力でオリジンにトールが話した。
(と言う事はもしやアース様が)
オリジンが考え始めた。
『わかった!お主達には恩義がある。できれば詳しく聞きたい。
ワシはアイテム扱いじゃがこの世界に2つとない物、SSクラスと言っても解らんじゃろ。ワシからも色々教えるからどうじゃ取引としては?』
本に取引するのは初めてな3人だがすんなりレイザーが答えた。
「いいぜぇ。恩義の返し方としては上等な部類だぁ!よろしくな。オリジンさんよぉ。」
「そうだな。情報は正に武器。色々聞かせてもらうよ。オリジンさん。」
『よろしくねぇ~。』
3人と一冊が喋るなか近くの木の陰から明らかに猫の耳と猫のしっぽを振りながら覗いていた。
「…………………。」
猫の眼がキランっと光る中三人は草原に向かって行った。
ようやくオリジンが仲間なり、謎の猫人族の女性の正体が明らかに。チーム「トライデント」も始動。