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師匠は異世界知識本!?  作者: 消しゴムシール
第1章 始まりの村 出逢い編
2/40

第1話:誤って知識書に転生!?

ようやく一段落。

オリジンは水を得た魚のように、油を得た炎のように、翼を得た鳥のように自由に世界を進み興味を持ち名前を本に書き込んで行った。





幾度の年月が過ぎたであろう…。


オリジンはとある町の一室のベットに横になっていた。

頭の中で自分に関する事を念じると正しくゲームのステータスが表示された。


オリジンはただ一点の所を見つめていた。


【オリジン 召喚年齢 150歳】


「良くもここまで…生きながら得たものじゃ…。」


神様にこのユニバーステイルに召喚されることを望み、ありとあらゆる事に名前を付けた。


18歳の時神様から貰った本が光り輝き表紙に世界名鑑知識魔導書(ワールドグリモアール)と浮かび上がり本が開くと冒頭に金に輝く文字があった。


『幾年月を過ごしこの書を完成させた事ここに刻み、原初たる記録を書き示した事を神が祝福し神の心類を結ばん。著作オリジン』


この文字の意味があまり理解出来なかったが光りが消えて本が手元に戻った。


次の日、ステータスの年齢149歳の横に鎌を持ったドクロマークが表示されていた。


次の召喚年齢が近づく度に死期が近いのを感じていた。

しかしオリジンは死期近い事を満足していた。


「世界は完成された…満足じゃ。」


するとドアの方から軽く叩く音がして2人男女がオリジンに近づいた。


その二人長きに渡りオリジンの果てしない名前付けに協力してくれた助手であった。


1人はエルフ族の女性で名前はセフィ。髪は緑色のロングヘアーで見た目通りの美人淑女である。


もう1人は筋肉隆々で肌は赤と黒の鱗に覆われた竜人族の男性名前はレウスである。


「オリジン様…もう逝かれるのですね…」とセフィが哀しみの言葉をかけた。


『先生…お世話になりました。この、ご、ご恩は、決して忘れま…ぐっ。』レウスは哀しみを堪えて必死に言葉を伝えていた。


「良い。わしは果報者じゃよ。2人はまだ先がある…ゴホッ。完成させた世界…頼む……ゴホッゴホッ‼」


苦しくも顔を歪ませながら2人に話した。


2人の目尻には必死に我慢している涙があった。


「責めて生きている間だけは…」歯を強く噛み締めた姿見たオリジンは微笑ましい表情を浮かべて眼を閉じた。


享年150歳 オリジン 没。





静かに耳に声が聞こえてきた。妙に懐かしい声が……。


『ぉ~…わか…るかのぉ…眼を醒ます…じゃ。ほぉようやく起きたかの。』


眼を開けると全て真っ白な空間が広がっておりそこにあぐらをかいた赤と白の裃に紫の袴を着たサンタクロース?並みの白髭を袴に垂らした老人が浮かんでいた。


『お主の言葉を借りると久しぶりじゃの(・・・・・・・)。覚えておるかいのぉ?』


「お久し振りでございます……神様。以前は姿が解らなかったですが今ははっきりと見えております。」

見た目に驚きはしたが冷静に答えた。


『前のお主は魔力が無かったからのぉ。わしの作った世界で生きた事でお主の中に魔力が生まれたのじゃよ。それにいつもはこのような姿なりはしておらん。』


確かにユニバーステイルの世界では魔法が使えた。


『お主のおかげでわしの作った星が正式に神々に認められたのじゃよ。ようやったわい。』


神様からのお褒めを貰ったが気になるがあった。


「ありがとうございます。あの…神々と言うと他に?」


『無論。太陽惑星の名前が神の名前から取っておる。お主が地球に住んでいた所の~確か…英語とかの星の名前がそうじゃったかの。』

何と英語読みの惑星が神様の名前と言うびっくり過ぎる事を聞いた。

『わしは地球(アース)しか知らんのでのぉ~。』


なるほどと考えると1つの疑問生まれた。この神様の名前はなんだろうか?………。


『お主をわしの作った星に送る時にもう一度わしの姿を見てほしくての。会う約束したのじゃよ。神々から認められて初めて名前を言う資格が与えられた。改めてわしの名は【ポラリス】創造と方角を司る神。』


「ポラリス様…素晴らしい名前でございます。とすると星の名前も?」


『無論。ポラリスじゃ。お主の地球では北極星と呼ぶそうじゃの。そして名前を貰った事でお主をもう一度転生できるそうじゃ。』


何とまた知識を使って名前を付けたユニバーステイルに行けると!!


「真でごさいますか!」


『前回はアースに頼んだのじゃが今回はわしが転生させるので些か緊張するの。わしの星に着いたら今度はゆっくり余生を過ごすとよいじゃろう。』


「判りました。私も今まで培ってきた知識を糧に…弟子でも作り満喫します。」


『うむ、神々の言葉には「心類」と言う言葉がありお互いを友と認めあった時に使うらしい…。お主はわしの友じゃ。達者でな』


オリジンは歓喜に震えながら眼を閉じた。


『心を無にせよ…ゆくぞ』


白い光りがオリジンを包み飛ばす………はずだったがオリジンは心類を世界名鑑知識書(ワールドグリモアール)に入れたいなど頭に描き無にする事を忘れていた。


ピカァーーー………キュワキュワキュワ‼ボン!


『のわぁ‼なっ、なんじゃ!?』


白い煙が薄らぎオリジンの姿を見たポラリスが驚き叫んだ。


『失敗か~…。ムッ?な、な、な、なんじゃその姿は‼』


オリジンが何を驚いているんだろうと気づいていなかった。


ポラリスが念じるとオリジンの前に鏡が現れ、自分の姿(・・・・)に絶句し言葉が洩れた。


「なっ、えっ、ほ、本!?って俺?何で…あっ。」


『お主…無心を忘れおったな。』


突如オリジンの後ろが門が現れて開いた。そこから地球の神(アース)が現れたが門は閉まると同時にオリジンを吸い込んでしまった。


「ちょ、わぁ‼ポラリス様‼ポラリスさ~~ま~~‼」


無情にもオリジンの叫びがポラリスの空間に響き、ポラリスは片手は頭を抱えもう片手は届かぬオリジンに向けられた。


かくしてオリジンは世界名鑑知識書になりポラリスの異世界を見終わったアースの門に引き込まれてしまった。



次回作はもう一人の主人公、友人、ぞくぞく登場。

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