第10話(最終話):船底の真理と世界の廃棄物処理計画
ケンジとユリアナ王女は、天空船の最下層にある、瘴気遮断層の魔力貯蔵庫に到達しました。
ここは、何世紀にもわたり、下界の全ての毒素、悪意、そして生命の腐敗物を濃縮し続けてきた場所です。
普通の人間であれば、一瞬で精神が崩壊するか、肉体が腐り落ちるほどの高濃度汚染環境でした。
しかし、ケンジには汚染耐性スキルがあり、ユリアナ王女もまた、美の分解と再構築という狂った才能に目覚めたことで、この環境を「純粋なエネルギーの場」として捉えることができていました。
「すごいわ、ケンジ。これが、お父様たちが「世界を腐敗させる毒」と呼んで恐れていたものなのね。なんて濃密な魔力…」
貯蔵庫の中央には、巨大な結晶体が浮かんでおり、その内部で緑色と黒色の高濃度魔力が渦を巻いていました。
それが、究極の廃棄物資源、「原初の瘴気核」でした。
ケンジは廃棄物の鑑識と再資源化スキルを最大出力で発動させました。
「この核は、人類が排出した全ての悪意、欲望、そして不要な感情の集積体だ。これをこのまま放出すれば、世界は瞬時に汚染される。だが、正しく処理すれば、世界を凌駕する究極の支配力になる」
彼は、自身の全身に残った全ての廃棄物から抽出したアイテム(汚染スティック、虚栄の拳、増幅装置など)を次々に核へと投じました。
それは、焼却炉の監視員が炉に不純物を投じる際の、迷いのない動作でした。
再資源化プロセス:
素材A(基盤):原初の瘴気核(高濃度汚染魔力)。
素材B(触媒):ケンジの全装備(廃棄物から生まれた狂気の道具)。
素材C(結合):ユリアナ王女の魔力(美の崩壊エネルギー)。
結果:世界の廃棄物処理ユニット・SADの完全解放。
結晶体は爆発的な光を放ち、ケンジの左手に埋め込まれていたデバイスと完全に融合しました。
ケンジは、世界全体を俯瞰するような、圧倒的な全能感に包まれました。
【端末名:SAD・オーバーロード(Systematic Abjection Device - Overload)】 【究極スキル:世界の廃棄物処理計画(The Great Scrapping Project)発動】
「全てが見えるぞ。地上の国家、貴族、聖女、魔王…彼らが日々生み出す「不要な情報と資源の無駄」の全てが、俺の処理対象として」
ケンジの視界は、もはや「世界」を「巨大なゴミ処理場」として捉えていました。
ユリアナ王女は、その圧倒的な力に魅せられながら、ケンジの傍にひざまずきました。
「ケンジ、あなたこそが、この世界の真の王よ。私たちに、何を命じるの?」
ケンジは、瘴気核の貯蔵庫から地上を見上げました。
天空船は、すでに彼らの支配下にありましたが、それは小さな一歩に過ぎませんでした。
「まずは、この天空船だ。この船は、下界の汚染を避けて「清潔」を保とうとした、最も愚かで非効率的なシステムだ。これを、全世界の廃棄物処理を行うための空中プラットフォームに再構築する」
彼は、天空船の構造を、資源運搬、分別、再資源化、そして不要物の焼却を行うための、巨大な移動式ゴミ処理センターへと変えることを決意しました。
「ユリアナ。お前は「美の分解と再構築」の力で、地上の国家が持つ「不要な権威や秩序」を分解し、再資源化する処理担当者となれ」
「はい、ケンジ様。あなたの命ずるままに、この世界の全てを、資源と不要物に分類し、処理してみせます」
二人は、天空船の船底から、改造された船を率いて飛び立ちました。彼らの目標は、世界中の人々が「価値」と信じて守り、そしてその過程で生み出す「廃棄物」を、全て回収し、再構成すること。
彼らの戦いは、この世界に蔓延る「資源の無駄遣い」と「非効率な秩序」を「正しく処理」するための、壮大で狂気に満ちた「廃棄物処理革命」として、今、まさに始まったばかりでした。
― 狂乱異界:廃棄物と王の再臨 ―
― ケンジとユリアナの戦いは、これからだ! ―
ご愛読ありがとうございました。ここまでついてこれた方は真の王です。なので次の話は総集編、超かみ砕いたバージョンお届けします




