銀河騎士隆盛期 壱 神の章(バサラバート編)13~14 悪の旗揚げ
悪の旗揚げ
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国惑星オーウェルの貴族、ラウランティス卿の三男の甥にあたるベリアルは、港湾都市イースト・ベイ・シティの公国の私設、宇宙港のドックの中に、中規模スペースクルーザー、ブラック・ウイドウ号に船ごと、かくまわれていることを、ラウランティス卿の家臣の裏切りで、知ったカイゼル老師は、船ごとベリアルを葬る計画を実行に移した。老師はベリアルの首に多額の賞金を懸けていたのだ。
カイゼル老師から、強力な火器類を用意するように言われて、ガーゴイルは突撃銃、分隊支援用機関銃、自動装填式散弾銃、擲弾発射銃、大口径のリボルバー、誘導弾ランチャー、大口径狙撃ライフル、手榴弾、ダムダム弾、散弾銃用のフシレット弾、散弾銃用の徹甲弾など、凶悪な火器と弾を、大量に、裏社会の業者に依頼して、買いそろえた。
海賊稼業を始めるには、必要な投資だ。相当のクレジットが必要だったが、その大部分はカイゼル老師が、どこからか用意してきた。ただ、ガーゴイルは自分個人用の装備品くらいはと思い、それらの装備については自腹で払いを済ませた。
ガーゴイルは軍の払い下げ品の、型落ちの強襲型装甲イオノクラフトを手に入れて、火器類を格納し、貧民街の外れにあるガレージに隠した。
船舶用の水と食料も大量にイオノクラフトに積み込んだ。
公国惑星オーウェルの貴族、ラウランティス卿のスペースクルーザー、ブラック・ウイドウ号を、強襲型装甲イオノクラフトで急襲して、船内格納庫に、乗り込み、一気呵成に制圧して、丸ごと乗っ取とる計画だった。
14
春の新月の真夜中、2時に、二人は計画を実行した。最初から乗組員を全員、抹殺するという凄惨な行動に、老師もガーゴイルも微塵も躊躇しなかった。
ガーゴイルはパグズ・ドローンの攻撃により、私設宇宙港ドックのセキュリティを掌握して、警報システムをダウンさせた。
ガーゴイルは強襲型装甲イオノクラフトを私設ドック上空で停止し、上面ハッチを解放して0.0127メルト狙撃銃で、私設ドックを警護していたラウランティス卿の私軍の兵士、二名の頭を吹き飛ばした。
残りの3名は、ほうほうの体で、その場を逃げ出した。
続いて、誘導弾ランチャーから、二発の誘導弾を発射して、私設ドックの格納扉を破壊して、装甲イオノクラフトで、私設ドックを強襲した。
パグズ・ドローンにあらかじめプログラムしておいた、ウイルスソフトをブラック・ウイドウ号に送り込み、船の管制を掌握した後。ガーゴイルは突撃銃を携えて、背中にフシレット弾でフル装填した自動装填式散弾銃を担いで、船に飛び乗った。
それより数分、前にカイゼル老師は船に侵入し、船長を含めた17名の船員たちを、次々に電撃で失神させていった。
カイゼル老師は最後にベリアルが、隠れていた貴賓室のベットの下から、ベリアルを引っ立てると、そこに飛び込んできたガーゴイルに、「とどめを刺せ。」と短く命じた。
ガーゴイルは携えた突撃銃を構え、ベリアルの頭蓋骨にトドメの一発を放ち、ベリアルは即死した。
カイゼル老師は腰の光線剣を引き抜き、緑の光線を展開して、ベリアルの首を、無慈悲に切断した。カイゼル老師その亡骸と、首を私設ドックの柱の元に晒した。
すべてを終えた二人は、電撃で失神した船員を、船の外に放り出した後、操舵室に侵入して、ブラック・ウイドウ号の船内格納庫のハッチを開き、ガーゴイルは強襲型装甲イオノクラフトを操縦して、船内に格納して、アンカーで固定した。
ブラック・ウイドウ号を管制するためのトロイドは、バサラバートの軌道上の、ジャンクヤードと呼ばれる非合法のドック群に船を隠した後で、調達する予定だ。
二人は軌道計算もほどほどにして、私設ドックを後に、ジャンクヤードを目指して、宇宙港を後に宇宙に飛び出した。




