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銀河騎士隆盛記 壱 神の章  作者: ジム・プリマス


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銀河騎士隆盛期 壱 神の章(バサラバート編)9~10


黒衣の騎士


 緑色の閃光の正体は黒衣の騎士が展開している光線剣だった。ガーゴイルと殺し屋の間に、黒いマントを付けた黒衣の騎士が立ちはだかり、手には緑色の光線剣を構えていた。

 ガーゴイルは殺し屋から撃たれたショックで、その場にドカッとへたりこんでしまった。

 殺し屋は、騎士、目掛けて、拳銃を連射してきたが、騎士は緑の光線剣ですべての弾を受け止め、アルミの弾頭は光線剣の緑の光線の中で銀色に輝き蒸発した。

 四、五発、撃ったところで殺し屋はあきらめたのか、拳銃を懐にしまうと、その場から、素早く走り去った。 

 黒衣の騎士はその姿を目で追っているようだったが、殺し屋の姿が見えなくなると、手にしていた光線剣の緑の光線を収めて、ガーゴイルの方に振り向き「ガーゴイル、大丈夫か?」と言い、黒い手袋をした手を伸ばした。

 騎士は古代の騎士が被っていたのと同じ、口以外を大きく覆う、いぶし銀の仮面を付けていたが、声はカイゼル老師のものだった。

 ガーゴイルがカイゼル老師の手を握ると、老師は助け起こしてくれた。「カイゼル老師、どうしてここへ?」とガーゴイルが聞くと、それを遮るように「その名は捨てた。今はシーカゲと名乗っておる。」と幾分、陰鬱な声でそう言った。


10

「ここに来たのはタマタマじゃ。しかしおぬしの命の危機に、居合わせたのも何か意味があるのかもしれんのう。」古代演劇に出てくるような重厚な衣装を着たカイゼル老師シーカゲは言葉を続けた。

「ガーゴイルよ、ワシはこれからはヒールで往くと、その矜持を固めたぞ。」カイゼル老師シーカゲはガーゴイルの瞳をのぞき込むようにして、言葉を続けた。

「おぬしも、こんな場末の街で、人の後始末をして、命まで、狙われたのでは少々の金を貰っても割に合うまい。」仮面から覗くカイゼル老師の目は真剣だった。

「どうじゃ。ワシと共に、もっと広い場所で己を試さぬか。」ガーゴイルの方に右手を差し出しながら、真剣な口調で言葉を続けた。

「ガーゴイルよ、これからワシらが進む道は、陽のあたる道ではない、しかし、そこに華はある。どうじゃ。ワシと共に悪の華を咲かそうではないか。」

 ガーゴイルは、自然に、カイゼル老師シーカゲの差し伸べた手を握っていた。そこに迷いはなかった。

 ガーゴイルは、自分の四人乗りのイオノクラフに、騎士の装束をマントで隠したカイゼル老師シーカゲを乗せて、老師が指定した宇宙港の離れにある、何かの工事予定地まで送った。

 その時に3Dコミニュケータの番号を交換して連絡を取れるようにして、そこでカイゼル老師シーカゲとは分かれた。

 ガーゴイルは尾行に注意をしながら、幾つか用意しているセーフハウスの一つに、戻った。


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