銀河騎士隆盛記 壱 神の章(バサラバート編)19~20海賊船ブラック・ウイドウ号
海賊船ブラック・ウイドウ号
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ブラック・ウイドウ号が二か月あまりの期間、シリウス系第9惑星の北極圏の地下にある破棄された無人工場で、火器その他の装備類の増強の為の改修工事を請けたことは、暗黒騎士シーカゲと海賊ガーゴイルにとって、多いに功を奏した。
この期間、ブラック・ウイドウ号は完全に雲隠れしてした状態で、その行方について銀河連邦軍の銀河中央方面艦隊、銀河辺辺境方面艦隊共に、その行方をまったく掴むことが出来なかったからだ、暗黒騎士シーカゲと海賊ガーゴイルの二人は、まんまと銀河連邦軍の裏をかいたことになる。
二人は改修を終えたブラック・ウイドウ号を北極圏の地下から発進させ、火器と新装備のテストをすることにした。
今回、船に装備した高密度透過コロイドの展開装置の性能には二人とも驚かされることになった。最新型の高密度コロイドを展開したところ、船の姿を光学的に完全に背景の前で消し去ることが出来る上、レーダーに映りにくく、船の所在をつかむとすれば熱映像に頼るしかなくなるということが分かった。
ということはイオンスラスターから高速イオンを噴出する通常推進機関を使用しないで重力慣性制御で推進し、敵船の後方から接近すれば、その所在を把握されることはないということだ。
敵船の後ろから重力制御で近づき、イオン砲の射程内まで接近してから、高密度コロイドの展開を解けば、中規模の艦船が相手なら、イオン砲を速射して相手の電磁シールドをオーバーロードさせれば、ほぼ無敵となる。
イオン砲は、その性能とその威力のわりには小型にコンパクトに収まるように設計されており、ブラック・ウイドウ号の艦首上方に二門、艦首下方に二門、艦尾上方に一門、艦尾下方に一門、計6門を装備して、中規模スペース・クルーザーには似使わぬ巡洋艦なみの攻撃力を有していることになる。
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暗黒騎士シーカゲと海賊ガーイルはバサラバートのジャンクヤードで手に入れた、程度の良い、星間航行船管制特化型トロイドOPQR7に、ブラック・ウイドウ号のイオン砲とミサイルの火器管制を任せて、海賊らしい白兵戦に特化した戦術で、勝負を賭けることにした。
暗黒騎士シーカゲの光線剣の腕前と、ジンウの暗黒面の凶悪な空中放電、それをガーゴイルが強力な火器で支援するという組み合わせは、白兵戦には、うってつけと言えるだろう。
高密度透過コロイドを展開し、神出鬼没に、目星をつけた船の後方に突如、姿を現し、イオン砲の速射を浴びせ、航行不能になった船に、白兵戦で急襲を仕掛ける、一撃離脱の戦術を駆使して、海賊船ブラック・ウイドウ号は銀河辺境で、荒稼ぎをして、暗黒騎士シーカゲと海賊ガーゴイルの悪名は銀河辺境に轟き、銀河連邦辺境方面艦隊を翻弄した。
連邦軍の哨戒艦が、ブラック・ウイドウ号を補足しても、巡洋艦並みの火器で反撃され、高密度透過コロイドを展開されて、幽霊のように姿を消して逃げられるというのが常だった。
露出した義眼の特異な風貌で分隊支援火器を撃ちまくり、突入してくる海賊ガーゴイルと、古の黒衣の騎士の衣装に、いぶし銀の覆面という姿で、ジンウの暗黒面の力、凶悪な空中放電を容赦なく放ち、緑色の光線剣を時に非情に振るう、暗黒騎士シーカゲの、二人の戦闘スタイルは、皆に知られ、恐れられるようになるのに、時間はかからなかった。
ファクトリの商船に偽装した、銀河連邦軍の特殊部隊の待ち伏せ作戦にあった時、暗黒騎士シーカゲは、武装した部隊員の大半を電撃で、一撃で失神させ、ガーゴイルは義眼のギミックを発現して、紫外線レーザーで隊員の一人に重傷を負わせ、二人とも危機一髪のところを、まんまと逃げおおせて見せた。




