銀河騎士隆盛期 壱 神の章 プロローグ
プロローグ
遥か昔の物語。一万六千五百年前頃。
銀河の中心部の各恒星系惑星の文明が勃興し、星間交流が始まった。それから約二千年後、ヒューマン型星間翻訳機が開発され、文明の発展とテクノロジーの伝播が飛躍的に進んだ。
その影響ををうけて、銀河中心部を主にする恒星系の各惑星や衛星により構成される、銀河連邦星団が成立した。
その統治を司るために、その元に元老院が成立し、それから、さらに千年後。元老院の元には、銀河闘士団と銀河騎士団が、ゆるやかに成立していた。
銀河連邦による銀河系の統治は、その影響力を高め、その勢力の範囲は、銀河系辺境の地にまで拡大しつつあった。
その頃、幾筋かある銀河の恒星流の一つに大規模な次元断層が存在していることが明らかになり、元老院の依頼により次元断層の調査に向かう騎士ガンデンと若き従者キンタが、人型星間翻訳機PE57Qと、星間航行船修理特化型情報処理ロボットYWC2を伴い、星間航行船ブルーノーズ号を駆り、辺境の恒星系に向かう。
騎士カンデンは、次元断層の空間振動に巻き込まれ、亜光速で通常空間に弾き飛ばされ、一番近くのヒノ恒星系の、第三惑星惑星アスラ(原始地球)の、群島ザパン(原始日本)、に漂着する。
そこには縄文文明が息づき、そこに住まう東の民には、神代(超古代)より伝わるコッポという武術が伝承され、その正式な伝承者、老師ボーアに、その凄すさまじい剣技を学び、二年に及ぶ過酷な修行を収め、カンデンとキンタは、その神髄「イチノタチ」を会得する。
紆余曲折を経て、東の民より天然水晶を譲り受けた、カンデンとキンタは、は星間航行船ブルーノーズ号の修復に成功し、銀河連邦首都惑星バサラバートに帰還する。
元老院、傘下のジンウ長老会に、コッポの秘儀「イチノタチ」の伝授を受け入れるように働きかけるが、ジンウ長老会10長老筆頭カイゼル老師に、ことあるごとにその意図を阻まれ、カンデン一門とカイゼル老師の確執は抜き差しならないころまで緊迫する。
その決着をつけるためのカイゼル老師とカンデンの真剣勝負から一年ほど過ぎた頃、何者かが公国惑星オーウェルの貴族、ラウランティス卿の船、ブラック・ウイドウ号の、卿と、卿の家族と、乗員を含めた17人を惨殺して、船を奪い、銀河辺境へ逃亡するという事件が起こった。
銀河騎士団がその捜索に当たったが、銀河辺境で、奪われたブラック・ウイドウ号を武装改造した、小型の海賊船を駆る、隻眼のキャプテンと、彼と行動を共にする、面妖な仮面をつけた黒衣の騎士が現れ、黒騎士シーカゲと名乗り、ジンウ力の暗黒面の力、強力な空中放電の力を使い、銀河騎士団の前に立ち塞がり、対峙した銀河騎士に、次から次に、電撃による重傷を負わせ、銀河騎士を苦しめた。
黒騎士シーカゲと武装海賊船の対応について業を煮やしたジンウ長老会は、ついにカンデン一門にその、討伐を命じることになり、カンデン一門は、黒騎士シーカゲと武装海賊船討伐の為、星間航行船ブルーノーズ号を駆って、再び銀河辺境に旅立つ。
銀河騎士隆盛記 零 天の章(バサラバート編)に続く、新たな冒険の物語、銀河騎士隆盛記 壱 神の章(銀河辺境編)の前日譚、銀河騎士隆盛記 壱 神の章(公国惑星オーウェル編)の連載を開始します。こう、ご期待。




