二丁目捕物帳
あれ?この人は…あの?
「あれ!?佐々木さん、今日はお友達と?」
バーに顔を出すと佐々木さんが知らないオジサンと来ていた。
何か鬼瓦みたいなスゲー強面の人…
身体もガチムチ…スーツがパンパン…
優しそうな佐々木さんと対極だ。
「どうも、こんにちは。初めまして、荒木と言います。」
口調もスゲー漢だ…
こーゆーの刺さる人にはブッ刺さるんよなー。でも多分ノンケだな。
モテそーと思いながら挨拶した。
でも何か優しそうな佐々木さんと鬼瓦荒木さんのノンケコンビの二丁目訪問…何なんだろ?
と、はてなマークを頭に浮かべていた。
おもむろに2人が目配せした。
瞬間、ものすごい勢いで店の奥に走って行った。
「警察だ!20:32分、麻薬取引の現行犯逮捕」
鬼瓦が客の男を締め上げた。
周りの客かと思ってた人らも一斉に集まって2人を取り囲んでいた。
何だかドラマや映画を観てるみたいだった。
○○○○○○○○○○
あの後パトカーやらなんやら大騒ぎだったけど何とか店は落ち着いて来た。
「マスター、知ってたの?」
「まあねー。タクミいない時に佐々木さんに協力頼まれてたのよ。」
「成る程ねー」
「佐々木さんはマトリね。荒木さんはマルボー。」
「へー。何か管轄違うけど手を組んだりするんだねー?ドラマとかだと犬猿の仲ってイメージ。」
「何か元々先輩後輩で仲良かったみたいよ?流石に警察内部の事情までは分からないけどさー。」
「ふーん。」
「あとさ、あのヤバい子チョコチョコ来てたじゃない?正直迷惑だったし、佐々木さんに聴き取りされた時は助けに船と思ったね。今回捕まったのあの子囲ってたヤの人だから。」
「ここで取り引きしてたの知ってたの?」
「まあ大体ねー。関わるの怖かったから見て見ぬふりしてたけどー。過去の監視カメラの映像渡してさ。まあ色々情報元に大体今日位かなってアタリつけてたみたいよ。」
「へー!でもさー。」
「なあに?」
「あの子…美人局で使われてたよね?どうなるんだろ?」
「さあねー。まあクスリやられてるし、とりあえずそれ抜く施設とか入れられるんじゃ無い?」
まあ一切関係ない子なんだけど…
確か親にも売られて身よりも無いだろうし…
やっぱり高橋位の年齢の子が心配になってしまっていた。
とっくに先生辞めてんのになー。
○○○○○○○○○○
『タクミ、佐々木さんがタクミに会いたいってさ。』
そうマスターから連絡来て店で佐々木さんと落ち合った。
あの捕物劇から数ヶ月経っていて、段々あの記憶が薄れて来ていた。
「お久しぶりですー。佐々木さん、元気にしてましたー?」
「タクミくんもその後どう?」
「俺は相変わらず底辺の生活してますー。」
「今日会って貰ったのはね、ちょっと相談と言うか、お願いと言うかね。」
「えー何だろー。もしや俺と付き合いたいとかー?」
「あはは、付き合いたいのは俺じゃなくてね、あの子覚えてる?前に捕まえた組織で使われてた子」
「ハイ、覚えてますよー。大丈夫かなってちょっと気になっては居ました。」
「今ね、リハビリ施設に入っててね、そろそろ自宅から通いに移ろうかってなってるんだけどさ、あの子身寄り無くてさ。両親自殺しちゃってて」
そうだったんだ…
「まあ色々考えてさ、タクミくんに少し預かって貰えないかなって…」
「俺!?」
「回復してると思っても、暫くは目を離せないのよ。ふいにフラッシュバックして薬に手を出したりするから…」
「俺、正直適任には思えないと思うけどなー。収入も不安定だし、男に体売ってるし…」
「その辺はねー、ウチで働きな。バーテン辞めて足りなくなってるし。」
「でもなあ…教育上俺は適任とは思えんなー」
「いやいや、前に店にに来た子の対応みてさ。あの年頃の子の扱いホント上手いし感心したもの。タクミくん以上に適任者居ないって思ったよ!流石元先生ってね」
「なんか上手いこと乗せられてるなー。まあ佐々木さんは俺の命の恩人だしー。マスターが雇ってくれるんならとりあえず引き受けますよー。どうなっても知らないからねー!」
「有難う!俺も出来る限り協力するから!助かったよ」
こうしてあの時の子を一時預かる事になった。
補足:直樹の身元引き受けの手続き申請が出来る様にする為、佐々木さんがマスターにタクミの仕事を店で正社員となる形になる様に裏でお願いしています。ついでにすぐに辞めない様に監視もお願いしています。
職種は飲食店従業員です。
本来なら逮捕までで後の事は同じ部署の別係の人に頼むかもですが、何だかんだで佐々木さんは世話焼き人です。
佐々木さんの本当の詳しい職種については「探偵前物語」参照




