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月光  作者: 水嶋


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捜索

俺は色々頭が混乱していた。


直樹は俺を家族としてではなくて男として好きだった…


何時からだろう…


正直全く心当たりが無かった。

俺はただただ自分の子供みたいな感情しか無かった…と思う。


でもただの自分の子供…と言いきるのも間違ってる気もする。

俺の心を救ってくれる…癒やしてくれる…

まるで直樹が俺の親で俺を包んでくれるような感情もあったりする。


直樹が家に来るまでは眠剤が無いと眠れなかった。それでも眠りは浅く量も増えていた。


直樹が来て、まず直樹の更生の為にと思って生活時間とかをなるべく普通になる様改めた。

勉強がしたい直樹の為に方法や段取りを色々考えた。

何かしら直樹の為になりそうな事は他にも率先して取り入れた。


そうして過ごす内に俺は眠剤が無くても普通に眠れる様になっていた。


直樹が嬉しそうにすると嬉しかった。

驚くと嬉しかった。

楽しそうだと嬉しかった。

笑うと嬉しかった。




俺は直樹が好きだ。

でもそれは直樹が俺に思う好きなんだろうか?


俺は直樹を愛してる。

それは今まで付き合ってきた奴らに思う愛してるなんだろうか?


体の関係がないと愛してるにならないんだろうか?

家族に思う愛だけの愛してるなんだろうか?


今まで俺は人に、付き合った男に、本当に心底好きや愛してると思っていたんだろうか?




「その癖誰も本気になってない。」



前にマスターに言われた言葉を思い出していた。

本気?俺は直樹の事を本気で好きだし、愛してる。

現に家族になりたいと思っているし、この先もずっと一緒にいたいと初めて思った。

それじゃダメなんだろうか?

何か間違えてるんだろうか?



段々益々混乱してきていた。


自分の気持ちは分かるのに分からない…

明確にこうだと言い切れる答えが導き出せていなかった。





○○○○○○○○○○





「俺も心当たりは探してるんですが…まだ見つからなくて…」



あの後、直樹の部屋から置き手紙が見つかった。



『ごめんなさい。消えます。』



直樹は家出をしてしまった。

もう今日で3日が過ぎた。



今は佐々木さんにも捜索をお願いしてる。

本来なら頼んじゃいけない人だとは思うけど、過去に直樹には薬物絡みが有るから気が気でなくて、思い切って佐々木さんにも相談した。


佐々木さんも丁度この辺りのきな臭い事件を嗅ぎつけていたので、ついでに協力してくれている。


「若い子が行きそうな漫喫やカラオケやあと泊まれそうなサウナとか、事情話して泊まったとか見かけたとか無いか聞いて回ってるけど情報無しで…」


「俺も今、本命の案件で周りのコンビニとか飲食店の防犯カメラ調べてるんだけどさ、それっぽいかものがアミにかかったからタクミくんにも共有しとく…多分そこに武田くんもいる…」


「何処ですか!?教えて下さい!?」


俺は思わず怒鳴り声に近い大声をだしていた。


「二丁目近く…○○町の△△番地当たりのね…空き倉庫があって…」



大体の話を聞いて俺は走り出していた。



二丁目付近…嫌な予感がして来ていた。


家に来てから近づけさせて居なかった。

あの界隈ではある意味直樹は有名だ。

アコギな事の片棒を担がされていた。

直樹は使われていただけだが…

恨みを持つ者もいるだろう。


大元は捕らえられたのであの商売は終了にはなっているが…


腹いせに直樹に…



高橋に最後に会う前のあの嫌な胸騒ぎが…



『一緒に居られないなら忘れて貰えるように自分はタクミさんの前から消えて居なくなりたいって思う』










直樹のこの言葉がずっとガンガン頭の中で打ち鳴らされていた。

補足:タクミは家出捜査は刑事に頼む仕事では無いと言う事は分かっています。

佐々木さんも丁度この辺りに売人が出没している情報が入っていたので色々調べていました。


昔私が働いていた所に刑事から薬物の取り引きの情報から監視カメラの映像提供のお願いや、疑われた時間帯の普段見慣れない様な不審人物、薬物中毒の様な普段不審な行動をする客など居なかったか等の聞き込みをされた事がありました。近辺の店など一軒一軒回ってるみたいでした。


ドラマ何かだと派手なイメージの刑事ですが、実際は地道な仕事が多いと思います。


実際の佐々木さんの職業はちょっと違いますが…恐らく捜査方法は余り変わらないと思われます。

詳しくは「探偵前物語」参照

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