【プロットタイプ】引き離せ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
明日は瑠衣が考えた策の話をしたいなー。
アルコール依存、ギャンブル依存、この世には様々な依存性が存在するが、其れらを根源から治すことは難しい。そもそも『依』という言葉が使われているからこそ、易々と離れられたら苦労はしないだろう。
だからこそ、根源的に改善する事よりも、その依存を薄める事に重きを置いて動く事にした。
「鏡花と結婚することにした」
ある日の朝、何時もの様に家族で飯を喰らいながら、俺は淡々とそう言った。空気が凍る。時が止まる。三者三葉の唖然とした表情が滑稽だった。
けれども徐々に納得したのか、両親は『まぁ……あの子なら……』という困惑と同意が混ざった表情に変化していく。そこは想定内だった。
ただこの場で一番厄介なのが、俺の妹である。
「結婚するの……? 鏡花ちゃんと?」
「あぁ。そしてこの家を出る」
この家にいる限り、麗衣は俺に依存し続ける。早朝に俺の安否から始まり、深夜に呼吸の有無の確認に終わる。其れは恐らく、絶対事項。
そして何があっても、お前一人で生きていける様にさせる。
未だに時が止まった様に、唖然とした顔をしているが、徐々に心の整理が着いて来たのか、両親と同じような顔に変化していく。
「……結婚相手に兄妹がいた場合、女性が妹になるんだっけ?」
「正確には男に兄弟がいた場合、有無を言わさず兄であり姉」
麗衣の依存性を治す為には、まず最初に俺がこの家を出ること、次に依存先を増やす事。その二つが重要になってくる。
すぐに凭れる事が出来ない様に、依存先そのものを物理的に引き離す。そしてもう一つ、『これがないと生きていけない』というものを複数に分割する事で、感情を分散させる。
鏡花と麗衣は元より中が良かったし、俺と同様に面倒を見てきた。その比重を増やす。『俺が居ないと、俺が死んだら、お終い』という思考をまず絶たせる。
「喜べ。晴れて鏡花はお前の妹になる。不満か?」
不満な訳がない。お前は間違いなく肯定する。
「不満な訳ないよ!! だって鏡花ちゃんだよ? 嬉しい」
まずはこの関係に楔を打つ。その一段階が鏡花だ。
オマケ
「鏡花ちゃん、鏡花ちゃん。私のこと、『お姉ちゃん』って読んで見てくれる?」
「麗衣お姉ちゃん?」
「う……連れて帰りたい……」
「鏡花帰るぞ」
依存性を治す事は難しいです。
私も依存モード入ると、それしか目に入りません。
自力で治すというよりかは、飽きるのを待つという手法になると思います。
まぁ、自分の力で治すことは難しいので、ある程度の策が必要になります。
其れが瑠衣が行った方法。
物理的に離す。そして依存先を増やす。
その手始めに選んだのが鏡花です。
両親も高校時代から双方と仲が良いし、存在を知っている。
瑠衣の性格的に一生結婚しないか、さらっと結婚するかの何方らかという空気なので、まぁ納得。
明日は鏡花に策の話をするところとか、瑠衣がいなくて落ち込む麗衣の話でも。