74. 忍びよる団体
ある日、ヨガスクールへと出勤すると、郵便ポストに、1通の手紙が入っていました。
差出人は、「コイン」という、「」と3文字だけ。それも、その「」と3文字は、手書きではなくて、その文字だけのスタンプで押してありました。
なんだろうと思って、とりあえず、バッグにしまい、1日の仕事が終わってから、開封しました。
すると、そこには、
私共は、ヨガを主として、多くの人たちに、その指導と社会貢献のための奉仕活動を行なっている、「コイン」という団体です。貴殿が、インドに2年に渡り、ヨガを学んできたことは、大変素晴らしく.、賞賛に値するものであると思います。貴殿に、一度、是非お会いしたい。
と、ありました。
私は、なんだか、とても胡散臭さを感じていたので、そのまま無視していたのですが、その後、忘れていたのです。
すると、1ヶ月後、ちょうどヨガのレッスンの午後の休憩時間の時でした。
ある男性が受付にやってきました。
「はじめまして。私は、以前、そちらに手紙でご連絡させて頂いた、「コイン」から参りました。当団体は、ヨガの社会への普及と、その指導を行ないながら、社会貢献に務めていることを目的とした団体です。私たちは、ぜひ、あなたを、うちの信者にヨガの指導者としてお招きしたい。そして、それに合わせて、うちに現在いるインストラクターにも、ぜひ指導をしてほしいのです。」
という申し入れでした。
「それに、個人でヨガスクール経営というのは、収容人数などでもなかなか続けていくのは難しいです。こちらに来て頂ければ、すでに指導する信者は、200人以上いるのです。どうか、ぜひご検討頂き、ご連絡下さい。」
そういうと、帰っていきました。
もちろん、自分には、そんなつもりはないし、たとえ、他に条件のいいところからのオファーであっても、どこかに所属するということは考えていませんでした。
その後、何回か手紙が入っていましたが、半年間、こちらからは無視を決め込んでいると、連絡は来ないようになりました。
しかし、これが、まさかのあの団体だったとは、今となっては信じられない思いです。あの時、もしも縁がついていたことを考えるだけで、本当に複雑な思いです。




